2022 Fiscal Year Research-status Report
Are Non-coding RNAs involved in the development of Gnatho-Diaphyseal Dysplasia?
Project/Area Number |
22K10119
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水田 邦子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (40432679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛梅 圭 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (40350037)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | TMEM16E / ANO5 / GDD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、GDD患者に高発現する新規ncRNAを同定し、その機能を明らかにすることでGDD病態(顎骨に生じる硬組織形成線維性病変)を引き起こすメカニズムを明らかする。 変異TMEM16E遺伝子から産生されたTMEM16E蛋白の蓄積により、細胞増殖が促進される一方、細胞分化は抑制され、最終的にGDDの顎骨病変を引き起こすことが予想されていたが、いまだGDDの発症機序を解明するに至っていない。偶然にも、EMT(上皮間葉移行)を誘導した細胞株クローンで、TMEM16Eが存在する領域に特異的にncRNAが発現することを見出だした。ncRNAはタンパク質をコードしないRNAであり、生体組織で多様な生理機能に関与し、疾患の発症に寄与することが明らかになりつつある。連鎖解析で疾患遺伝子座位が存在すると考えられた領域に間葉系細胞特異的に発現上昇するncRNAの存在は、GDD発症機構を解明する新たな可能性を見出だすことが予想される。 GDD患者の顎骨病変部より樹立した細胞株を用い次世代シークエンスを用いた遺伝子発現量の網羅的解析を行うことで、GDD患者に特異的に発現変化する遺伝子を抽出し、GDD患者に高発現する新規ncRNAを切り口として新たな骨代謝制御シグナルの解明を目指し、病因の一端や新規治療の可能性に発展させたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
GDD患者の顎骨病変部より樹立した細胞株を用いGDD患者に高発現する新規ncRNAを同定し、その機能を明らかにすることでGDD病態(顎骨に生じる硬組織形成線維性病変)を引き起こすメカニズムを明らかすることを目的にしているが、まだGDD患者に特異的に発現変化する遺伝子の抽出に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
GDD患者の顎骨病変部より樹立した細胞株とさまざまな細胞株や健常組織の公開されているトランスクリプトーム情報と遺伝子発現の変化についての比較検討を行い、GDD患者に特異的に発現変化する遺伝子を抽出し、得られたデータをもとに、in vitro機能解析により細胞の分化増殖活性化制御機構における候補分子の役割を明らかにする。
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Causes of Carryover |
骨リモデリング異常に関わる疾患特異的なncRNA抽出に至っておらず、予定していた機能解析が滞り、若干の次年度使用額が生じた。次年度使用額は引き続き、疾患特異的な新規ncRNAの同定とその機能を解析する目的に使用する予定である。
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