2022 Fiscal Year Research-status Report
HBp17/FGFBPノックアウトによる扁平上皮細胞の分化誘導メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K10147
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新谷 智章 広島大学, 病院(歯), 講師 (90403518)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 哲治 東亜大学, その他の研究科, 教授 (00169153)
檜垣 美雷 広島大学, 病院(歯), 助教 (40826856)
林堂 安貴 広島大学, 病院(歯), 講師 (70243251)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | HBp17/FGFBP |
Outline of Annual Research Achievements |
HBp17/FGFBPは我々の研究室にて分離・精製された、17kDaのヘパリン親和性分泌蛋白であり、上皮細胞で特異的に発現し、FGF-1、FGF-2と可逆的に結合することから、FGFのスイッチ分子として標的細胞でのFGFの遊離・活性化に深く関与していることが考えられる。そこで、扁平上皮癌(SCC)/口腔扁平上皮癌(OSCC)細胞におけるHBp17/FGFBPの機能および分子標的としての可能性を明らかにするため、我々はこれまでに以下の研究を行った。 造腫瘍性を欠失しHBp17/FGFBP遺伝子を発現していないA431の亜株である#4クローンにHBp17/FGFBP遺伝子を導入すると、in vitroでの増殖能はA431#4細胞に比べ著しく亢進し、ヌードマウス背部皮下での造腫瘍性を獲得した。 SCC/OSCC細胞において、活性化ビタミンD3(活性化VD3)がNF-κBシグナル経路を抑制することにより、HBp17/FGFBPの発現を抑制することや、SCC/OSCC細胞の培養上清中へのFGF-2の遊離を抑制することを明らかにした。さらに、エルデカルシトール(以下ED-71)は、活性化VD3の2β位にヒドロキシプロポキシル基が導入された活性化VD3の誘導体であり、代謝酵素CYP24A1による代謝を受けにくい特徴を有している。ED-71がVD3と同様にSCC/OSCC細胞の増殖を抑制すること、ED-71のIC50は活性化VD3の約1/100の低濃度であることを明らかにし、ED-71はA431細胞由来マウス背部皮下腫瘍に対し、増殖抑制効果を示すことを明らかにした
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
gRNA+Cas9発現プラスミドとノックイン用ドナーベクター(GFP-Puro)をA431細胞に共導入を試みたが、リポフェクション法では遺伝子導入がうまくいかず、最終的にエレクトロポレーション法を用いた。
|
Strategy for Future Research Activity |
gRNA+Cas9発現プラスミドとノックイン用ドナーベクター(GFP-Puro)をA431細胞と不死化口腔正常上皮細胞へトランスフェクションを行う。
|
Causes of Carryover |
癌細胞への遺伝子導入に時間がかかったため、正常細胞を使った実験が昨年度できなかった。そこで、不死化口腔粘膜上皮細胞を購入し、エレクトロポレーション法を用いて遺伝子導入を行う。
|