2023 Fiscal Year Research-status Report
Exploration for exosome-borne signal transduction during alveolar bone remodeling under orthodontic force application
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22K10256
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
新井 千博 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (10460221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 俊之介 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (10908940)
和田 悟史 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20581119)
菅崎 弘幸 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (30333826)
勝又 裕太 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (70886423)
石川 美佐緒 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90582445)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | メカニカルストレス / miRNA / エピゲノム / エクソソーム / 分泌 / 歯根膜 / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、矯正力に応答した歯根膜細胞(PDL細胞)から分泌されるエクソソームが、歯槽骨のリモデリングにおいて重要な役割を担うという仮説を検証することを目的としている。矯正治療では、歯根膜の圧迫側と伸展側で部位特異的な骨代謝の変化が生じ、歯の移動が起こる。この変化はメカニカルストレスによって引き起こされるが、その感受機構についてはPDL細胞が重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、メカニカルストレスを受けたPDL細胞が異なるmicroRNAで構成されたエクソソームを分泌し、伸展刺激エクソソームは骨芽細胞の骨形成を促進し、圧迫刺激エクソソームは破骨細胞分化を促進するという仮説を立てた。この仮説を検証するため、動物実験系および細胞培養実験系を用いて研究を行った。培養実験系では、ヒトPDL細胞のコントロールおよび伸展刺激エクソソームのmiRNAプロファイルを比較し、hsa-miR-4755-3p, hsa-miR-4718, hsa-miR-4663, hsa-miR-486-5p, hsa-miR-1246 などのmiRNAの発現に差が見られた。さらに、PDL細胞のコントロールおよび伸展刺激エクソソームをヒト骨芽細胞株MG-63培養系へ添加したところ、伸展刺激エクソソームによって骨芽細胞マーカーであるALPやOCNの発現上昇が観察された。本研究は、メカニカルストレスに応答したPDL細胞由来のエクソソームが歯槽骨リモデリングを制御する新たな機構を明らかにするものであり、矯正治療メカニズムの理解に大きく貢献すると期待される。今後は、圧迫刺激エクソソームの破骨細胞分化への影響や、in vivoでの検証を進めることで、より詳細なメカニズムの解明が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者および分担者とも外来診療・教育に時間が割かれ研究を進めるのに十分な時間を割くことが難しかったため次年度使用額が生じた。今後より効率的な研究遂行を行うことで研究計画の遅れを取り戻す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者および分担者は、日々の外来診療や教育業務に多くの時間を費やしており、研究活動に十分な時間を確保することが困難な状況にあった。臨床医としての責務を果たしつつ、研究を並行して進めることの難しさを痛感する結果となった。このような事情から、当初予定していた研究の進捗に遅れが生じ、次年度への予算の繰り越しが発生するに至った。 今後は、研究の効率性を高めるために、研究計画の見直しを行い、より現実的かつ実行可能なスケジュールを立てる必要がある。また、研究チーム内での役割分担を明確化し、各自の専門性を活かしながら、協力体制を強化することで、限られた時間内で最大限の成果を得られるよう努める。さらに、定期的な進捗報告会を開催し、研究の進捗状況を共有することで、問題点の早期発見と解決を図る。 臨床業務と研究活動のバランスを適切に保ちながら、着実に研究を進展させていくことが肝要である。研究によって得られる知見は、将来の医療の発展に寄与するものであり、その意義を深く認識しながら、研究に邁進していく所存である。
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Causes of Carryover |
研究代表者および分担者は、日々の外来診療や教育業務に多くの時間を費やしており、研究活動に十分な時間を確保することが困難な状況にあった。このような事情から、当初予定していた研究の進捗に遅れが生じ、次年度への予算の繰り越しが発生するに至った。 今後は、研究の効率性を高めるために、研究計画の見直しを行い、より現実的かつ実行可能なスケジュールを立てる必要がある。また、研究チーム内での役割分担を明確化し、各自の専門性を活かしながら、協力体制を強化することで、限られた時間内で最大限の成果を得られるよう努める。 各刺激条件のエクソソーム精製はノウハウが蓄積されたため、今後n数を増やして再現性を高めるため次年度使用額を用いていく。
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Research Products
(4 results)