2022 Fiscal Year Research-status Report
フッ化物抵抗性根面齲蝕関連菌の代謝動態解明のためのトランスクリプトーム解析
Project/Area Number |
22K10283
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川嶋 順子 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (50633707)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安彦 友希 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00470170)
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (20400260)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | Actinomyces / フッ化物 / 酸産生 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔Actinomyces は、ヒトのプラーク細菌において口腔Streptococcus に次いで多く、根面齲蝕病巣からも高頻度で検出されることから、根面齲蝕との関連が注目されている。齲蝕は、主に口腔細菌の糖代謝によって産生される酸に起因するが、Actinomycesの糖代謝経路は代表的な齲蝕関連菌であるStreptococcusとは大きく異なる。Actinomycesは、齲蝕予防剤として世界中で広く利用されているフッ化物に耐性を持つことが明らかとなっているものの、その代謝経路の詳細は不明である。本研究では、口腔Actinomycesの代謝活性に対するフッ化物の効果に着目し、増殖抑制や酸産生抑制作用についてトランスクリプトーム解析による代謝酵素の遺伝子発現量の評価を中心とした代謝メカニズムに関する分析化学的および分子生物学的アプローチによって多角的に解析し、代謝経路の解明と効果的なフッ化物応用法を検討・提案することを目的としたものである。 トランスクリプトーム解析を行うため、今年度はRNA抽出の方法について主に検討を行った。RNA抽出の方法には主にビーズにより機械的破砕、酵素による破砕があり、対象とする細菌の種類・懸濁液の種類によって選択する必要がある。酵素法については、細菌によって最適な種類と濃度があり、今後の実験計画の拡張性を考えた場合には現実的ではないと判断した。また、今年度予定していたフッ化物による代謝動態変化の評価のためのサンプル収集については時間的な制約があり来年度行うこととした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
療養等で思うように勤務できない期間があったため
|
Strategy for Future Research Activity |
トランスクリプトーム解析の基盤構築の続きとサンプル収集を行う予定である。並行して、代謝産物の定量解析の準備も進めていく。
|
Causes of Carryover |
今年度の実験計画が遅れているため、来年度への繰り越しが生じた。来年度、シークエンス試薬の購入にあてる予定である
|