2022 Fiscal Year Research-status Report
ターゲットキャプチャー法によるA型インフルエンザウイルスの高感度検出系の創出
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22K10501
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
竹前 喜洋 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 室長 (10584386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 文隆 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 主任研究官 (90332204)
ドアンハイ イエン 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 主任研究官 (90701243)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | A型インフルエンザウイルス / 次世代シーケンサー / ターゲットキャプチャー / ハイブリダイゼーションプローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
ターゲットキャプチャー法に用いるプローブの設計及び準備を進めた。インフルエンザウイルスの国際公共データベースに登録されたヒト及び非ヒト由来のH1~H18亜型及びN1~N11亜型の2000年以降に分離されたA型インフルエンザウイルスの全八分節をそれぞれダウンロードした。各分節のアライメントを実施後に、総当たりの相同性を計算し、標的配列とプローブ配列間でのミスマッチの許容範囲とされる80%-90%の相同性をもつ各分節のリファレンス配列群を選抜した。最終的には、A型インフルエンザウイルスの全ての亜型に由来する配列を含むプローブパネル(168,091プローブを含む)を合成した。 上記で合成したプローブパネルの検証に用いるためのウイルスライブラリーを準備した。研究所で保有する様々な亜型のA型インフルエンザウイルスのワーキングストックを作製し、各ストック中に含まれるインフルエンザウイルスゲノムのコピー数をデジタルPCRにより定量した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度計画であるターゲットキャプチャー法に用いるプローブパネルの設計及び検証用ウイルスの作製が終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
低濃度に調整した様々な亜型の検証用A型インフルエンザウイルスをヒトリファレンスRNAに添加し、仮想的なヒト臨床検体を作製する。初年度に合成したプローブパネルとハイブリダイゼーション後に、次世代シーケンスを実施する。得られた配列データから、プローブパネルによるウイルス濃縮率等を評価する。検出感度に問題が見られた場合は、感度を向上させるためのライブリー合成やハイブリダイゼーションの条件検討を適宜行う。
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Causes of Carryover |
当該年度における計画であったターゲットキャプチャー法に用いるプローブ合成は高額であり、複数のプローブ候補を設計し、トライアンドエラーで検証の繰り返す方法ではコストがかかりすぎるため、in silicoの検討に時間を費やした。そのため、計画時よりも低い執行率となった。ただし、次年度以降は、次世代シーケンサーのための試薬の購入が多くなるため、総額としては予定額を執行する見込みとなる。
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