2023 Fiscal Year Research-status Report
ターゲットキャプチャー法によるA型インフルエンザウイルスの高感度検出系の創出
Project/Area Number |
22K10501
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
竹前 喜洋 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 室長 (10584386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 文隆 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 主任研究官 (90332204)
ドアンハイ イエン 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 主任研究官 (90701243)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ターゲットキャプチャー法 / A型インフルエンザウイルス / ハイブリダイゼーションプローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに設計・合成したターゲットキャプチャー法に用いるA型インフルエンザウイルス用カスタムプローブパネル(168,091プローブを含む)の検証を以下の通りに進めた。H1亜型からH15亜型及びN1亜型からN9亜型のヒト又は動物由来のA型インフルエンザウイルス28株を検証用ウイルスとしてそれぞれRNAを抽出し、各RNAに含まれるM遺伝子のコピー数をデジタルPCRにより定量した。ヒト由来RNAをバックグラウンドとして添加し、A型インフルエンザウイルスRNAがそれぞれ1000コピー/uL含まれる仮想的なヒト臨床サンプルを28検体分作製した。各サンプルをランダムプライマーでcDNAに逆転写後にライブラリーを作製し、昨年度に合成したカスタムプローブパネルと約16時間のハイブリダイゼーションを行い、A型インフルエンザウイルス由来のゲノムが濃縮されたNGSライブラリーを作製した。対照として、市販されているターゲットキャプチャー法用プローブパネルとして、多岐に渡るA型インフルエンザウイルスに対応するプローブが最も含まれていると考えられるTwist Comprehensive Viral Research Panelを用いたNGSライブラリーも28検体分作製した。各ライブラリーをIllumina Miseqでシーケンスを実施し、A型インフルエンザウイルスゲノムに由来リード数、リファレンスに対する深度やカバー率等の解析を進めた。 また、通常のNGS法に対して、ターゲットキャプチャー法を用いた場合の濃縮効果の検証として、A型インフルエンザウイルスやSARS-CoV-2に感染した患者検体における市販のプローブを用いた検証も同時に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検証に用いるA型インフルエンザウイルス株の全ゲノム解析が終了し、A型インフルエンザウイルスRNAを含む仮想的なヒト臨床検体の作製が終わった。当初計画の通りに、合成したカスタムプローブを用いたターゲットキャプチャー法の検証が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
カスタムプローブを用いたA型インフルエンザウイルスゲノム解析効率の詳細解析を引き続き行うとともに、季節性A型インフルエンザ陽性と診断された実際のヒト臨床検体を用いた検出感度の検証を行う。以上の実験により、臨床検体中のA型インフルエンザウイルスの全遺伝子配列を直接に解読可能な高感度な検出方法を創出する。
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Causes of Carryover |
カスタムプローブの検証においては、少なからずトライアンドエラーを繰り返す可能性が高かったが、1年度目に十分な検討の上で設計したプローブの効果が期待以上に高く、現時点においては、再合成を必要としなかった。そのため、研究費の使用額に差額が生じた。一方で、円安による影響により、最終年度における国際会議への参加及び国際誌への論文投稿にかかる費用や最後の検証に向けた実験のための消耗品にかかる費用が高騰化しているため、研究遂行には、当初配分通りの研究費を必要である。
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Research Products
(1 results)