2022 Fiscal Year Research-status Report
血球のミトホルミシスを利用した運動バイオマーカーの確立
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22K10510
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
荻野 景規 高知大学, 医学部, 特任教授 (70204104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今釜 崇 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (00634734)
長岡 憲次郎 松山大学, 薬学部, 講師 (40752374)
菅沼 成文 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (50313747)
栄徳 勝光 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 講師 (50552733)
NAJI ABDERRAHIM 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 講師 (90650903)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ミトホルミシス / 好中球 / アルギナーゼ / 抗酸化酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
山口大学医学部整形外科との共同研究「整形外科手術前後のミトホルミシス現象を利用した患者活動量の定量化」(管理番号H2020-128)については、現在、血球の核酸抽出が終了し、抗酸化酵素遺伝子やミトコンドリアDNAの測定を開始した段階である。核酸の質と量は問題ないことが確認できており、SOD2およびSOD1の解析から開始した。 また「内因性ミトホルミシス誘導因子の同定」に必要な残存血清が限られていたことから、以前の横断研究(Ogino S et al., 2021)の残血清も利用する必要があり、新たに研究計画の申請を行って2022年12月に承認された (承認番号2022-91)。筋肉組織のミトホルミシスを全身に伝播させる因子として、血中の酸化ストレスが重要であることが報告されているが、運動で好中球数が上昇すること(Mizokami T et al., 2023) や、アルギナーゼ活性が上昇すること(Tsukiyama Y eyal., 2017)もミトホルミシスに寄与すると思われる。これらの因子を目的として、血清を限外濾過やサイズフィルターによって分画し、それぞれを解析する実験を今年度から開始した。 SEPP1およびSOD2の転写調整機構の解析をする際に、まずはヒト初代細胞ではなくヒト血球系培養細胞を用いる方針となった。初代培養は継代ができず、コスト面で問題となることがわかったからである。比較的培養が簡単なHL-60を用いた実験を開始したが、H2O2などの刺激によって、SEPP1およびSOD2がPBMCと同様に動くのかを確認する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「整形外科手術前後のミトホルミシス現象を利用した患者活動量の定量化」については、COVID-19による影響で通常診療が妨げられ、患者からの検体採取時期が変更になったことが理由である。また「内因性ミトホルミシス誘導因子の同定」に必要な残存血漿量が多くないことがわかったため、運動習慣の詳細な問診を行っていた以前の横断研究(Ogino S et al., 2021)の残血漿を利用する方針となり、新たに研究計画の申請を行って2022年12月に承認された (承認番号2022-91)ことも遅延の原因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
「整形外科手術前後のミトホルミシス現象を利用した患者活動量の定量化」 抗酸化酵素のうち二つの研究で有用性が証明されているSOD2の解析から開始する。次にSOD1、SEPP1、Catalaseの解析も追加し、リハビリテーションによる介入で有意な変化があるかどうかを検討する。次に、臨床的な指標(ADLや、栄養タンパク質アルブミン、筋力、術後の転機など)とこれらの値の関連性について統計学的に解析していく予定である。ミトコンドリアDNA量についても並行して解析を行っていく。
「内因性ミトホルミシス誘導因子の同定」 運動によって好中球数が上昇すること(Mizokami T et al., 2023) や、アルギナーゼ活性が上昇すること(Tsukiyama Y et al., 2017)から、筋肉組織のミトホルミシスを全身に伝播させる因子には、これらが因子も関連していると思われる。とくに好中球の脱顆粒によるエラスターゼやMPOは血中の酸化ストレスに強い影響を及ぼす可能性が高い。アルギナーゼが好中球から分泌されている可能性もあり、これらの活性測定を軸として、血清検体の解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
「整形外科手術前後のミトホルミシス現象を利用した患者活動量の定量化」は、新型コロナウイルス感染症の影響で、対象者が目標数に達する時期が予定よりも大きく遅延した。そのため、必要な試薬の購入が予定よりも少なくなっていた。来年度(令和5年度) に引き続き必要な試薬の購入を予定しており予算計上する。 研究計画「内因性ミトホルミシス誘導因子の同定」に必要な残存血漿が不足していることが判明し、他の研究で使用された残血漿も利用する必要があったため、研究に遅れが生じた。当初本年度(令和4年度)末に予定していたミトホルミシスを全身に伝播させる血中酸化ストレス関連因子の検索に必要な試薬の購入は、来年度(令和5年度)に予算計上する。
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