2023 Fiscal Year Research-status Report
Exome and lipidome analysis to elucidate the mechanisms of sudden death with hepatic steatosis
Project/Area Number |
22K10601
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 遥一郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50640538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 麗香 群馬大学, 未来先端研究機構, 講師 (90721928) [Withdrawn]
大嶋 紀安 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30360514)
平野 瞳子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 技術職員 (20643810) [Withdrawn]
大日方 英 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50332557)
窪 理英子 群馬大学, 医学部, 技術職員 (40747127)
佐野 利恵 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70455955)
早川 輝 秋田大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90758575)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エクソーム / リピドーム / 高度脂肪肝 / 突然死 / 脂肪酸代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
突然死は種々の原因で生じるが、高度脂肪肝を伴う例が知られている。本研究では、原因不明の高度脂肪肝を伴う成人期突然死例に対する網羅的なエクソーム解析とリピドーム解析を起点として、本邦の突然死例の分子基盤解明や診断法確立を目指している。原因不明の高度脂肪肝を伴う個々の突然死例を評価し、突然死の機序を解明する。 これまでに、CPT2やACADM等を含む脂肪酸代謝関連遺伝子に一塩基変異が同定された症例を複数解析した。これらの肝臓組織から脂肪成分を抽出しリピドーム解析を行った。さらに、これらの症例を含む複数の症例に対して、脂肪染色を用いた脂肪肝組織の定量的評価や死後CT値の評価を行った。 現在、得られたデータについて、その関連を解析している最中であるが、遺伝子変異の存在と組織学的所見・死後CT値との値に相関が疑われる予備的な結果が得られている。具体的には、遺伝子変異のあった症例では優位に高い肝臓CT値が得られることが示唆されている。今後、さらに詳細な解析を行いつつ、より基礎的な実験や解析を検討している。 本研究の核心は「成人でも遺伝的要因が複合的に関与して脂肪酸代謝異常や高度脂肪肝を伴う突然死が生じるか」を調べ「乳幼児期では死に至らなかった個人が成人期に突然死する理由は何か」を解明することである。現在までに、成人例で上記の結果が得られている。死亡時画像診断のデータを本研究に加えることで、突然死の機序解明に有用な所見が得られると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた6段階の計画のうち、1.法医解剖、2.リピドーム解析、3.エクソーム解析の3段階までがほぼ計画通り行われ、4.有意な遺伝子変異と障害代謝経路の推挙、5.外的要因の絞り込みの2段階についても解析が進行しているため、進捗状況はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた6段階の計画のうち、4、5に関して、残った課題を終了させる。その後、6の研究も進める。 4.有意な遺伝子変異と障害代謝経路の推挙:蓄積している脂質と同定された変異遺伝子、及び家系調査等の結果を統合し、in silico 解析を基に脂肪肝及びエネルギークライシスの原因となる有意な遺伝子変異や関連代謝経路を推挙する。 5.外的要因の絞り込み:死者の既往、服用薬物、死亡前の症状等の情報から上記の代謝経路が致死的となる程に障害された外的要因を絞り込む。 6.遺伝子発現実験:推定された代謝経路における外的要因の影響を調べるため、培養細胞を用いた実験を行う。カルニチン・アシルカルニチントランスロカーゼやカルニチンパルミトイル基転移酵素2等の野生型と熱感受性変異型の発現ベクター、及びそれらの組み替えにより作成した任意のベクターを培養肝細胞HepG2に遺伝子導入し、高温環境・薬剤投与下・低栄養培地等で培養を行い、細胞質内に沈着した脂肪滴を質量分析により解析する。
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Causes of Carryover |
本年度分の検体解析に使用しなかったため、残額を次年度の解析に使用する
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