2023 Fiscal Year Research-status Report
中小規模病院で配置転換した看護師の強みを活かすキャリアマネジメントプログラム
Project/Area Number |
22K10694
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
倉田 節子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (50352050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 由美恵 関東学院大学, 看護学部, 教授 (60347250)
永田 真弓 関東学院大学, 看護学部, 教授 (40294558)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 中小規模病院 / 配置転換 / キャリアマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究代表者らが開発した「配置転換した看護師のキャリアマネジメントプログラム」を用いて、人材育成を特に課題とする中小規模病院において介入を行い、その効果と課題を明らかにすることを目的としている。研究は3つの段階に分けて行う計画としており、各段階の研究の概要は、【第1段階】プログラムの洗練化:中小規模病院で配置転換した経験のある看護師および教育担当者への面接調査をもとに、プログラムを修正・改良する。【第2段階】洗練化したプログラムによる介入:中小規模病院で配置転換した経験のある看護師を対象にプログラムを実施する。【第3段階】介入によるプログラムの効果と課題の明確化:アウトカム指標の分析、評価からプログラムの効果と課題を明らかにする、である。 所属機関の研究倫理審査委員会の審査の承認を経て、令和4年度から令和5年度にかけて、第1段階であるプログラムの洗練化のために、4つの中小規模病院から研究協力を得て、面接調査への同意を得た配置転換した経験のある看護師5名とその教育担当者7名の計12名への面接調査を実施した。データ分析の結果、プログラムへの意見として、現行プログラムの適切性、プログラムの効果への期待、プログラム充実に向けた提案、運営体制の整備の必要性があげられた。配置転換した看護師は、配置転換した当初の戸惑いを感じながら試行錯誤して配置転換による混乱に適応し、自分にとっての配置転換を意味づけていた。教育担当者は、配置転換した看護師の立場になり、配置転換した看護師とその看護師を受け入れる看護師の両方の強みを活かすことを心がけていた。一方、配置転換に対する否定的意見への対応の難しさや、教育体制の不十分さを課題ととらえ、中小規模病院ならではの教育体制の整備の必要性を感じていることが明らかになった。第1段階の研究成果は令和6年度開催の学術集会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、面接調査の依頼や承諾に制限があり、面接調査対象者が予定していた人数に到達しなかった。令和5年度はその制限が緩和され面接調査を継続して、予定を上回る人数に達することができた。プログラム洗練への意見や、プログラム実施にあたっての配置転換した経験のある看護師の体験とその教育対象者の対応について、データ分析し結果をまとめることはできたが、第2段階のプログラム実施まで進むことはできていないため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
第2段階に向けて、協力施設の確保と日程調整を行い、プログラムを実施する。また、第1段階の研究成果を関連学術集会で発表し、学術集会参加者からさまざまな意見・助言を受けて、さらにプログラムを洗練する機会とする。
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Causes of Carryover |
(理由)令和5年度に予定していたプログラム実施が遅れたため、プログラム実施にかかる経費を繰り越した。 (使用計画)プログラム実施にかかる旅費、データ分析費として使用
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