2022 Fiscal Year Research-status Report
クリティカルケア領域における包括的終末期ケアプログラムの開発
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22K10783
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山勢 博彰 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90279357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田戸 朝美 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30452642)
山本 小奈実 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60574340)
須田 果穂 山口大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60883593)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | クリティカルケア / 終末期ケア / 意志決定支援 / 悲嘆ケア / 苦痛緩和 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、クリティカルケア領域における包括的終末期ケアプログラムを開発することである。クリティカルケアの終末期には様々な課題があり、終末期ケアの効果的実践に苦慮している実態がある。 本年度は、「救急・集中ケアにおける終末期看護プラクティスガイド」で示されている全人的苦痛緩和、意思決定支援、悲嘆ケア、チーム医療推進、組織体制整備で構成される終末期ケアの概念に基づいた事例動画を作成し、臨床現場での経験などを基に、より良い終末期とそのために必要な看護実践についてディスカッションした。動画の内容は、終末期にある患者の状況説明、意志決定支援、こころのケアなどについて、主として看護師が家族にケアをしているシーンとした。ディスカッションの参加メンバーは約40名で、全人的苦痛緩和、意思決定支援、悲嘆ケア、チーム医療推進等に関して、必要なケアや課題などについてまとめた。 その結果、様々な場面で対応するタイミングの重要性、多岐に渡る全人的苦痛緩和ケア、意志決定支援の困難性、家族自身による意志決定を促す重要性、信頼関係構築での課題、医療チームで家族ケアに関わる重要性、家族への悲嘆ケアの困難感と対応などについて明らかになった。さらに終末期ケアの構成概念として、終末期看護プラクティスガイドで概念化されている、全人的苦痛緩和、意思決定支援、悲嘆ケアの3つの直接ケア、それを支えるチーム医療推進、組織体制整備の妥当性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1段階の研究成果として、クリティカルケアでの終末期に必要な看護と課題を確認できた。また、本研究の基本概念として用いている「救急・集中ケアにおける終末期看護プラクティスガイド」の妥当性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
終末期ケアの妥当性を検証するために、WEBによる調査を実施する。対象は、救命救急センターまたはICUに勤務する臨床看護師。方法は、「救急・集中ケアにおける終末期看護プラクティスガイド」を基に概念化した終末期ケアについて、適切性、難易度、実施可能性などを調査する。
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Causes of Carryover |
動画作成で看護師、医師、家族役を演じた役者と演技指導者への謝金が、予定より各人1万円分少なかったこと、物品費用が予定額より少なかったため、53,929円の残金が生じた。 翌年度は、この残金と合わせた助成金で、調査に必要な郵送費、Web調査システム費用、関連学会への参加費・旅費、調査にかかる用紙費用などに使用する予定である。
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