2022 Fiscal Year Research-status Report
1型糖尿病患者の療養と社会生活の両立を支援するソーシャルサポートの開発と評価
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22K10889
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
梅田 英子 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (40403779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 安子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50252705)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 成人期1型糖尿病 / セルフケア支援 / ソーシャルサポート / ピアサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
1型糖尿病患者が糖尿病管理を行いながら社会生活を営むためには、医療者からのセルフケア支援に加え、同じ経験を持つ同病者からの支援の有効性が示されている。特に青年期・壮年期の生活では、仕事や学校、結婚、妊娠、転職、介護などさまざまなライフイベントに合わせて糖尿病管理を工夫していく必要があり、同病者からの経験に基づく助言は患者にとって大きな力となっている。本研究の目的は、1型糖尿病患者の同じ経験を持つ同病者同士のつながりによるサポートの可能性に着目し、ICTを用いた専門家支援との融合型ソーシャルサポートシステムを構築することである。 今年度は、成人期1型糖尿病患者が、社会生活においてどのような経験をしてきたのか、インタビュー調査による質的分析を進めた。インタビュー対象者は小児期~成人期に1型糖尿病を発症した患者である。成人期1型糖尿病患者の社会生活における経験を通して、フォーマルおよびインフォーマルなサポートの実態把握に努めた。また、海外のソーシャルサポートに関する文献検討を行い、ソーシャルサポート、ピアサポートに関する内容とその評価方法を明らかにし、本研究における評価指標について検討をした。同病者のつながりによる支援からセルフケア行動や血糖コントロールの改善への影響を評価することができるシステム構築を目指している。そしてソーシャルサポートとしては、関心領域に沿って同病者同士のつながりが持てるシステムとし、対象者の暮らす地域や施設の制約にとらわれないサポートシステムの在り方について検討をしている。 成人期の1型糖尿病患者の社会生活における経験に関する質的分析からは、①妊娠・出産②仕事と療養の両立③就職や再就職④周囲への疾患開示について困難を経験したことが確認でき、同病者同士の交流テーマとして検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成人期1型糖尿病患者へのインタビュー調査は終了しており、質的分析に取り組むことができたため、概ね順調に進展できていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、ソーシャルサポートシステムに組み込むソーシャルサポートのプログラム設計を具体的に進める。対象者が登録できるシステムの設計を行い、ホームページの立ち上げを予定している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、COVID-19の影響で予定していた学会の現地参加を取りやめたことで旅費にかかる費用が減少したことが考えられる。 今後の使用計画はソーシャルサポートシステムの開発経費として計上を検討している。
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