2023 Fiscal Year Research-status Report
熟練助産師の技を伝える新たな分娩介助技術習得のためのVR教材の開発
Project/Area Number |
22K11056
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
内江 希 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10782683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三反崎 宏美 金沢医科大学, 看護学部, 助教F (00803537)
上澤 悦子 大阪信愛学院大学, その他部局等, 研究員 (10317068)
四谷 淳子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (10507370)
嶋 雅代 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (50633385)
波崎 由美子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (80377449)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 熟練助産師 / 視線計測 / 分娩介助技術 / ハンズオン法 / ハンズオフ法 / VR教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分娩介助に関する初学者と熟練者を対象に、アイカメラを用いた視線・動作計測を導入し、分娩介助技術の「熟練知」を評価する習熟度指標を明らかにする。そのために、母児にとって最良な分娩介助技術について見直す。そして、新たな分娩介助技術習得のためのVR(VirtualReality)教材の開発を目指す。 分娩介助手技について、助産師が会陰部に直接手を当てて保護する「ハンズオン法」と、会陰部には直接手を当てない「ハンズオフ法」があり、どちらを推奨すべきかについて世界的に議論が続いている。日本では「ハンズオン法」が広く採用されているが、会陰裂傷を軽減するための介入について本邦でもさらなる検討が必要である。 研究代表者である内江は、2023年6月にインドネシアで開催されたICM大会参加とスリアウサダ病院・産科棟視察を行った。インドネシアの会陰保護の方法が、日本の教科書に記載された方法とは異なる可能性のあることが分かり、国際的視点を今後の研究に役立てる予定である。 視線計測については、正常に経過していることを仮定して、分娩第2期における分娩介助技術について比較・分析を行う。熟練者、初学者共に、それぞれウェアラブルカメラ、アイカメラ、心拍計を使用して、視線・動作・心拍計測を行う。分娩介助技術において留意している点、難しいと感じる点について、視線・動作・心拍計測した結果を見ながら熟練者、初学者に聞き取り調査を行う。初学者は、熟練者から分娩介助技術について指導を受ける。初学者は、指導を受けた後、2回目の視線および動作計測を行い、指導前後の計測値の変化を分析する。熟練者と初学者の視線計測、動作計測値の比較を行う。 2023年6月に開催された看護理工学会に研究協力者である谷口が参加し、今後の研究の方法や、VR教材の開発に対する情報収集を行った。 現在は、両調査について、倫理審査委員会に申請中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の変更を行い、母児にとって最良な分娩介助技術を見直すことを計画に追加した。そのため、当初の計画よりやや遅れている。しかし、今後の母子保健と助産師の質の向上には重要な調査であると考える。 現在倫理審査委員会に申請中である。対象施設、対象者についても内諾を得ているため、実施する準備は整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
分娩介助手技については、ハンズオン法36例、ハンズオフ法36例ずつデータをとる。視線計測については、初学者5名、熟練者5名に対して実際に計測を実施する。
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Causes of Carryover |
視線計測機器の購入を考えていたが、統計解析協力者の所属機関からレンタルすることができたため、次年度使用額が生じた。 令和6年度は、視線計測、心拍計使用に関連する機器の購入が必要となる。
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