2022 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブ高齢者ケアに係る看護チーム業務分担・協働を支援するAI導入実証研究
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22K11116
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
善生 まり子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20292394)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 看護チーム / 業務分担 / IPW / AI / インクルーシブケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者ケアを担う一般病院における看護チーム(看護職、看護補助者)の業務分担・協働の充実をめざして、その基盤づくりアイテムとしてAI導入(ユニロボット株式会社開発の小型AIロボット「unibo」)を活用し、その効果を実証するために取り組んでいる。 現在、メディカルトピア草加病院、獨協医科大学埼玉医療センターの各1病棟にてunibo1台設定・試用している。看護業務に係る毎日の定時チャイム・時刻アナウンス・定例業務アナウンス(24時間で1時間1.9回または17時間で1時間1.2回)・勤務時間に応じた労いの言葉、リラクゼーションのための音楽等をuniboにプログラミングしている。適宜、uniboの音量調整、内容修正・変更等のシステム管理や技術支援を要する。現時点では、時間の意識づけや業務への気づき等の一定の効果は得られているものの、スタッフステーションに固定され、その場を不在にすると効果が得られず、リーダー看護師へのフォローが中心になっている。病棟内をラウンドしたり、病室にて患者ケアに取り組んたりしている等の看護師、看護補助者への遠隔フォローの検討が必要である。次年度の課題として、チーム活動促進のシナリオ追加、各種調査等を検討している。AIの性能活用(主に会話や伝達)が不十分であり、uniboのバージョンアップに期待される。 研究協力者(ラジエンスウエア社):中嶋吉男氏(代表取締役社長、医業経営コンサルタント)、山田勝之氏(システム開発部マネジャー)、小田島淳一氏(医療ICT化支援室スーパーバイザ) 研究協力者(研究フィールド):真々田美穂氏(メディカルトピア草加病院看護部長)、岩上広子氏(同左病院看護係長)、松元智恵子氏(獨協医科大学埼玉医療センター副看護部長)、佐藤美香子氏(東鷲宮病院看護部長) 研究協力者(産学連携):町田博氏(埼玉県産業振興公社産学コーディネータ)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
月1回、定例ミーティングを開催したり、適宜情報交換したり、研究代表者、研究協力者が相互に研究の進行管理を行い、unibo試用や管理に係る現状報告、データ集約の報告等に係る共有・討議を行っている。2022年度内に、研究フィールド2か所(メディカルトピア草加病院、獨協医科大学埼玉医療センター)を確保し、ラジエンスウエア社(研究協力者)によるuniboのシステム管理や技術支援を受けながら、unibo設置・試用にあたり各看護管理者(研究協力者)が主導して、各種研究協力に係る環境を調整することによって、一般病棟の看護チームによる看護業務の業務分担・協働を促進する一つのアイテムとしてuniboの活用可能性を検討できる環境が整った。ただし、研究成果の随時の公表に係る学術集会での発表や論文作成等は準備に終始したため、2023年度では力を注いでいく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度の研究成果を踏まえて、研究チームにて以下のとおり3点を推進していく。また、uniboのバージョンアップによるAI機能の活用(実用)可能性の検討を加える予定である。 1.看護チームの業務分担・協働及び高齢者へのインクルーシブケアへの動機づけの検討 2.uniboを活用した看護チーム活動を促進するためのシナリオ導入の検討 3.1・2を検討するためのアンケート調査・インタビュー調査の実施
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Causes of Carryover |
unibo使用に係る経費、研究成果の公表(学術集会発表や論文作成)を2023年度へ繰り越したため。
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