2022 Fiscal Year Research-status Report
小規模事業場における事業場の特徴と地域の特性を踏まえた健康支援モデルの開発
Project/Area Number |
22K11175
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
千葉 敦子 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (30404817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森鍵 祐子 山形大学, 医学部, 教授 (20431596)
中谷 淳子 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (60341525)
小笠原 メリッサ 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (60457736)
大西 基喜 青森県立保健大学, 健康科学部, 特任教授 (90314187)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 小規模事業場 / プレゼンティーズム / 健康支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は,小規模事業場の健康支援に関する示唆を得るために, 小規模事業場の①経営者,②健康づくり担当者,③社員を対象に,健康増進活動の現状と課題を明らかにし,地域特性や事業場の特徴を踏まえた支援モデルを開発することである。2022年度は1地域で9社の経営者と担当者を対象にインタビュー調査を実施した。加えて,9社の社員203名を対象にアンケート調査を実施した。 インタビューの結果は逐語録化し,現在共同研究者間で分析中である。アンケート結果については,プレゼンティーズムの実態と関連要因の検討を行った。プレゼンティーズムは出勤しているにも関わらずパフォーマンスが上がらない状態をさし,労働生産性の低下や労働災害のリスクおよびコストの増大につながることから、その改善に向けた対策が求められている概念である。小規模事業場の多くには産業保健専門職がおらず、健康増進活動が乏しいことが指摘されているため,小規模事業場の健康確保対策に関する示唆を得るために、プレゼンティーズムの実態と関連要因を検討した。その結果,本対象者はプレゼンティーズムが「問題なし」に判定された労働者が34.3%であり,約7割は何らかの労働機能障害を抱えていたことが示された。プレゼンティーズムを従属変数とした重回帰分析の結果、「家庭の満足度」,「ヘルスリテラシー」,「ワーク・エンゲイジメント」と有意な関連が認められた。よって,ヘルスリテラシーを高めるような健康教育の推進やワークエンゲイジメントを高めるようなメンタルヘルス対策、特に小規模事業場の強みを生かした仕事に対する裁量権やコミュニケーションの活性化といった対策がプレゼンティーズムの改善に有効である可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は計画通り1地域でのデータ収集を終えることができた。関連するテーマで3本の学会発表を行った。しかし,論文作成までは至らなかったため今後の課題とする。
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Strategy for Future Research Activity |
分析を行ったうえで今後は対象地域を拡大していく予定である。あわせて成果の公表を関連学会で発表し,論文にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
打合せ等をオンラインで実施することができたため旅費を節約できた。2023年度は成果発表や最新知見の収集に使用する予定である。
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