2022 Fiscal Year Research-status Report
心疾患維持期患者におけるデジタルデバイスを利用した運動習慣獲得と医学的効果の検証
Project/Area Number |
22K11373
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中村 健 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (80299635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礒 良崇 昭和大学, 医学部, 准教授 (60384244)
水越 慶 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60725084)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ウェアラブルデバイス / 身体活動量 / 心疾患維持期 / 心臓リハビリテーション / 身体機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
NTTの協力のもと、ウェアラブルデバイスからの生体情報が利用できる心疾患患者用のアプリケーションソフト(以下アプリ)を開発した。このアプリは、加速度と心拍数の両方のデータを用い様々な運動様式による身体活動量の表示が可能であり、医師が過剰運動の閾値や目標運動量の設定をWeb上から実施する事ができ、アラート表示と運動管理を行う事が出来る。さらに、運動の継続と促進のために運動目標と運動達成状況を本人にフィードバックでき、楽しく運動できるようにゲーミフィケーション機能も搭載した。このアプリによる身体活動量(MET、消費カロリー)計測のためのアルゴリズム作成等を目的として、様々な様式の運動時(歩行、階段昇降、自転車エルゴなど)におけるウェアラブルデバイスからの活動量と携帯型呼気ガス分析装置による酸素摂取量を健常者10名より同時に測定した。このウェアラブルデバイスで測定した活動量と、呼気ガス分析装置より測定した酸素摂取量を解析し、ウェアラブルデバイスとアプリを使用し正確な身体活動量(MET、消費カロリー)を計測し表示できるアルゴリズムを作成し、ウェアラブルデバイスとアプリ(新デバイス)による身体活動量測定の信頼性を統計学的に確認した。 更に、新デバイスの有効性を証明する研究を開始した。この研究は、外来心臓リハビリテーションを終了した心疾患維持期患者を、新デバイス使用群と非使用群に無作為に分け、身体活動量、血液データ、身体機能、心血管イベントや死亡の有無などを6カ月間測定および観察する。令和4年度の後半より、横浜市立大学附属病院、昭和大学藤が丘病院、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の3施設において研究を開始しており、令和4年度中に3名の被検者の登録が終了しており、現在測定および観察を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定どおり、ウェアラブルデバイスからの生体情報を利用し身体活動量の表示が可能であり、医師が過剰運動の閾値や目標運動量の設定をWeb上から実施する事ができ、アラート表示と運動管理を行う事が出来る心疾患患者用アプリを完成した。このシステム(新デバイス)には、患者フィードバックとゲーミフィケーション機能も搭載する事ができた。 さらに、この新デバイスの有効性を実証する研究も予定通り令和4年度中より、横浜市立大学附属病院、昭和大学藤が丘病院、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の3施設において開始しているが、これまでに登録された被検者は、3名である。当初は令和4年度中に10名程度の登録を見込んでいたが、3名とやや遅れいている。理由としては、観察期間が長いことなどの理由により同意を得られない被検者もおり、リクルートが当初の予定どおりには進んでいないことが考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度、6年度は引き続き、横浜市立大学附属病院、昭和大学藤が丘病院、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の3施設において、令和4年度より開始した新デバイスの有効性を検証する研究を継続する。新デバイス使用群と非使用群を各45名(合計90名)を目標に被検者のリクルートを継続し研究を実施していく予定である。当面は、当初の研究計画内容に沿って被検者リクルートを継続していく予定であるが、観察期間が6カ月と長期になっていることが被検者リクルートの妨げとなっている可能性もある。このため、今後、被検者リクルートが予定より著明な遅れが出てくるようであれば、観察期間の短縮等も検討する可能性がある。
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Causes of Carryover |
令和4年度は、物品費として1,500,000円を計上していたが、購入予定であった呼気ガス分析装置の購入額がやや低く抑えられた。また、被検者謝金として令和4年度は30,000円を計上していたが、予想より被検者の獲得ができずに謝金の支出が低くなった。 令和5年度は、令和4年度に実施できなかった被検者数と令和5年度に実施予定の被検者数を合わせて測定を実施する予定であり、令和4年度予算の残りについては、令和5年度使用予定の被検者謝金に追加して被検者謝金用として使用する予定である。また、令和5年度の予算については、研究成果の学会発表のための旅費、参加費等にも使用を予定している。
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