2023 Fiscal Year Research-status Report
Identification of Risk Factors for Progression of Locomotive Syndrome by 3-D Gait Analysis System Using Wearable Sensors
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22K11441
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
遠山 晴一 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (60301884)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Timed up and go test / 動作解析 / キネマティクス / ウェアラブルセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
Timed up and go test(TUG)は,簡便に複数の移動能力を評価できるテストであり,転倒リスク評価としても用いられている.また,加速度センサを用いて,TUGを区間分けすることにより,より詳細な評価を可能としたinstrumented TUG(iTUG)がある.申請者らが開発した,ウェアラブルセンサを用いた動作解析システムH-Gaitは加速度・角速度センサのデータより下肢関節角度や関節軌跡を算出できる.そこでTUG中の下肢キネマティクスをH-Gaitシステムと光学式3次元動作解析により評価し,H-Gaitシステムの妥当性を検証した.その結果、起立相において,股関節屈曲角度の相関係数は0.916から0.998,膝関節屈曲角度の相関係数は0.995から0.998、着座相における股関節屈曲角度の相関係数は0.933から0.997,膝関節屈曲の相関係数は0.987から0.999であった.また,歩行相における各波形の相関係数は股関節と膝関節に関しては0.9以上,足関節に関しては0.77から0.99の相関が見られた.したがって、H-Gaitは光学式3次元動作解析とTUGにおける歩行相だけでなく,起立や着座区間においても,股関節・膝関節の屈曲角度は高い相関性を示した.一方,足関節においては光学式動作解析との間に十分な相関を示すことができない対象が存在した.これは本システムのキャリブレーションにおける重力ベクトル測定の際,立位と座位における足部セグメントが同一の姿勢を維持できないことに起因する可能性が考えられた.以上の本システムの特徴をふまえることにより,H-Gaitを用いたiTUGテストは住民検診などでの移動能力の評価へ応用が十分可能なことが本研究により示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「いわみざわ健康ひろば」での第1次調査対象がCOVID-19感染蔓延による同施設の休止により第2次調査への参加協力が困難となり、第2次調査に着手できていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
TUGでの下肢3次元キネマティク解析のためのH-Gaitプログラム修正および正当性検証をさらに進め、「いわみざわ健康ひろば」での第1次調査のデータを検討することにより、ロコモ発症の危険因子を抽出する予定である。
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Causes of Carryover |
TUGでの下肢3次元キネマティク解析のためのH-Gaitプログラム修正および正当性検証が完了せず、本解析結果での成果発表が当該年度に行われないことにより旅費が減少したため。これら成果発表のための旅費は次年度の支出となる予定。
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