2022 Fiscal Year Research-status Report
Perceptual-cognitive skills of eSport players
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22K11560
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 貴昭 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (30365481)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 知覚認知スキル / 眼球運動 / eスポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主題は、リアルなスポーツのように極めて厳しい時間的および空間的制約下において、迅速で正確な反応、意思決定を必要とする各種eスポーツ種目を取り上げ、様々な熟練度の競技者の知覚認知スキルについて検証を行うことである。特にプロとして活躍するeスポーツ競技者が持つ視覚探索ストラテジーに着目し、熟達化の様相を探り、さらには多世代も対象としたeスポーツの活用がもたらす知覚・認知機能(特に遂行機能、注意機能)の効果について実践的な検証を行う。これにより、従来のスポーツ科学領域での議論を超え、人間の基本的特性の解明にも寄与できることが考えられる。 本年度の研究目標は、「課題1:各種eスポーツ競技熟練者に見られる知覚認知スキルの解明」を主に実施し、さらには「課題2:eスポーツの活用がもたらす多世代の知覚認知スキルの効果検証」の一部を始めることであった。本年度に実施した研究の成果及び研究機関全体を通じて実施した研究成果は以下の通りである。 課題1:各種eスポーツ競技熟練者に見られる視覚認知スキルの解明 本研究の核となる知覚認知スキルを評価するため、今年度は主にeスポーツにてTIER1と呼ばれる最高階層に位置するMOBAを取り上げ、特にDOTA2を研究対象として設定し、特定場面でのタスクの選定を行った。特に熟練度別の知覚認知スキルについて比較検討を行ったところ、トップ0.5パーセンタイルにランキングされた上級者群は、20-40パーセンタイルの中級車群や50パーセンタイル以下の初級者群に比べ、リコールタスクやMITタスクでのパフォーマンスおよび視覚探索活動において優れた結果を示した。 課題2:eスポーツの活用がもたらす多世代の知覚認知スキルの効果検証 本年度は多世代として若年層の被験者を対象に、ストループ検査や児童実行機能検査を実施し、来年度以降への予備調査とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の予定通り、主に課題1での実験成果を得ることができた。特に貴重な熟練者群を対象とした検証を実施することができ、具体的な知覚認知スキルの知見を得ることができた。課題2については今後の課題遂行の準備が整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施した課題1および課題2を引き続き継続して取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
実験機器の価格が一部改定となり、当初の予定していた見積から安くなったため、若干の誤差(48,000円)は生じたが、次年度の研究計画の課題1および課題2を実施する際に支出する予定であり、当初の予定通りの計画を進めていく。
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