2023 Fiscal Year Research-status Report
Role of nitrated proteins in the development of food allergies
Project/Area Number |
22K11832
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Research Institution | Shibata Gakuen University |
Principal Investigator |
飯泉 恭一 柴田学園大学, 生活創生学部, 准教授 (30439351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山倉 文幸 順天堂大学, 保健医療学部, 客員教授 (20053358)
松本 綾子 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 特任助教 (20833825)
川崎 広明 昭和女子大学, 食健康科学部, 講師 (40531380)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アレルギー / ニトロ化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は食品に含まれるニトロ化タンパク質の分析を実施した。これまでの研究で食品中のタンパク質にはニトロ化を受けているものが存在することが明らかになっているが,その生成機序については十分に解明されていない。その機序の1つとして,紫外線の照射による活性酸素の産生が関連している可能性があると考え調べることにした。 紫外線照射を受ける食品としては,野菜や果物が代表的である。本研究では手軽に調達できるナスの果実を利用した。ナスの果実には,活性酸素の除去に関わるアントシアニンを多く含むもの(紫色の果実)と,それらをほとんど含まないもの(白色の果実)があり,比較することでニトロ化生成の違いが明確になると考えたからである。 紫色のナスの果実と白色のナスの果実に紫外線ランプ(波長280 nm)の光を照射し,その翌日にそこから果皮のみを採取した。この果皮よりタンパク質を抽出し,ウエスタンブロット法を用いてニトロトリプトファンおよびニトロチロシンの生成を調べた。 その結果,どちらの果実においてもニトロ化タンパク質の増加するバンドが観察された。また,バンドの中には白色の果実において強くニトロ化を受け,紫色の果実ではほとんどニトロ化を受けないタンパク質(実同定)が存在した。 これらの結果は,野菜に含まれるタンパク質のニトロ化が紫外線を介して誘導される可能性があることを示している。次年度以降も「ニトロ化タンパク質がアレルギーを誘導し得るか」について検討すると同時に,食品中に含まれるタンパク質が環境的な要因によってニトロ化を受けるかについても検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,食品に含まれるタンパク質のニトロ化の機序に着目したため,ニトロ化タンパク質がアレルギーを誘導する可能性については調べることができなかった。これについては次年度以降に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,動物実験を中心に実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究が当初の予定よりも遅れ,次年度使用額が生じた。
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