2022 Fiscal Year Research-status Report
バーチャルリアリティ体験の事後効果を活用したパフォーマンス発揮に関する研究
Project/Area Number |
22K12109
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
磯山 直也 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70742021)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / アフターエフェクト / HMD / 認知心理 / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Virtual Reality (VR) 体験中に行動や思考が変化する影響を受けることを、VR体験後の行動に対する影響について調査することを目的としている。2022年度はVR環境への遷移を工夫することやVR環境で触覚を与えることで影響が持続することを狙い、まずそれらのVR体験への影響について調査した。 VR環境への遷移では、アバタへのトランジションを工夫する手法とドアを使った手法について調査した。アバタへのトランジションについては、VR体験時にはアバタの見た目や印象によって影響を受けるが、そのトランジションを工夫することで影響が大きくなると考えた。そこで筋肉質のアバタへトランジションする際に、力を入れる動作をすることで、VR体験時に力を入れることに影響があるかを調査した。調査の結果、力を入れる動作をしてトランジションをすることで、VR体験時に力を入れやすくすることを明らかにした。 ドアを使った手法については、実環境においてもドアを開いたその先に違う環境があることを利用して、実環境からVR環境に移行する際に物理的なドアを用いた。ドアを用いて遷移することで、遷移先に行った感覚を増させたり、VR環境を実環境の一部のように感じさせることができた。上記のように遷移を工夫することで、VR体験中の影響が、体験後にも残りやすくなることが期待できる。 VR環境での触覚は、身の回りのものをVR環境内のオブジェクトのように見せつつ、触覚のみ身の回りのものから与えることを可能にしたり、柔らかい触覚と硬い触覚を一つのデバイスから与えることを可能にした。VR体験中に触覚を与えられることで、その触覚が体験後にも残りやすく、影響が残ることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
VR環境への遷移を工夫することやVR環境で触覚を与えることで、VR体験中の影響を変化させることができることを確認した。これらによって体験後の影響の効果にも変化が起きることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き、VR体験中の影響を変化させることに関しての研究も進めつつ、体験後の影響についても調査を行っていく。VR体験中の影響が、体験後にも持続しているか、持続しやすくなっているかを調査する。また、VR体験によって、体験後の行動や思考が変化するかについても調査を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度は研究室内にすでにある機材の利用ができたことから使用額が少なかった。2023年度以降は、機材が必要となることや、現地開催の学会が増えることとと旅費の高騰が懸念されるため余分に費用がかかる可能性があり、これらへの補填にも充てることを検討する。
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Research Products
(6 results)