2022 Fiscal Year Research-status Report
Building Rapport in Social Communication Training Systems for Autism Spectrum Disorders
Project/Area Number |
22K12151
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 宏季 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (10757834)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲 奈良先端科学技術大学院大学, データ駆動型サイエンス創造センター, 教授 (30263429)
松田 康裕 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (70445063)
岡崎 康輔 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70736925)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 心の理論 / ラポール / 仮想エージェント / ソーシャルスキルトレーニング / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに我々は、仮想エージェントを用いたソーシャルスキルトレーニング(SST)システムを構築し、その訓練効果を調査してきた。我々は新たに、断る、依頼する、気持ちを伝える、耳を傾ける課題の訓練システムを構築した。仮想エージェントとの関係を構築する研究課題としては、22 から 35 歳の29名の実験参加者により、仮想エージェントによる見た目、心の理論の程度を調整した動画の視聴、ソーシャルスキルトレーニングを行い、その各段階のユーザのシステムへの受容性、信頼性などを質問項目により調査した。今回の実験では、新たに構築したソーシャルスキルトレーニングシステムを使用し, 以下の3点の調査項目を明らかにすることを目指した。1) 心の理論(ToM)の程度がトレーナとしての受容性、信頼性へ及ぼす影響、2) ToMの程度がトレーニング後のトレーナとしての受容性、信頼性へ及ぼす影響、3) ソーシャルスキルトレーニングにより受容性、信頼性が向上するかについて検証した。実験結果として、調査項目 1 および 3 の信頼性は確認されたが、調査項目2である心の理論の程度がトレーニング後の信頼性に及ぼす影響がないとされた。これはソーシャルスキルトレーニングとToMのビデオが実験参加者にとっては独立したものと知覚された可能性がある。 全体の結果としては、仮想エージェントの心の理論の程度によりユーザの信頼性が有意に変化することを確認した。また、ソーシャルスキルトレーニング前後で、システムへの信頼性が有意に向上することを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソーシャルスキルトレーニングの訓練方法に焦点を当てるのみならず、長期的視点での関係性の研究について継続できているため。学術論文などでの発表なども継続して行うことができているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ソーシャルスキルトレーニングシステムの各モジュールの改良、その他の信頼性を高め関係づくりをしていくための設計が必要だと考える。また、今後は訓練手法に心の理論を組み込む視点も重要だと考える。エントレイメントなど、行動としての同期現象なども仮想エージェントに組み込むことも検討する。
|
Causes of Carryover |
今年度は、構築した仮想エージェントを用いた実験環境の構築を中心に行ったため、実験実施費用を次年度に繰り越すこととした。想定していた国際会議への参加がオンラインとなったため、渡航費を次年度に繰り越すこととした。
|
Research Products
(4 results)