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2023 Fiscal Year Research-status Report

『法性寺殿御集』を中心とした藤原忠通の漢詩文に関する総合的研究

Research Project

Project/Area Number 22K13049
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

柳川 響  同志社大学, 文学部, 助教 (50876802)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords藤原忠通 / 法性寺殿御集 / 本朝無題詩 / 和漢朗詠集 / 本朝文粋
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、平安時代後期に文壇を主催するなど、漢詩と和歌で当時の文学世界で大きな役割を果たした藤原忠通の漢詩文に関わる活動に焦点を当てるものである。そして、忠通の自撰漢詩集『法性寺殿御集』を含む、忠通の作成した漢詩文を主要な研究対象とし、それらの詳細な読解を通して、忠通の文学的活動や学問的背景を解明することを目的とする。
2023年度は前年度に引き続き、『法性寺殿御集』に収録された句題詩を対象に注釈作業を進めていったが、その一方で、句題詩と並行して無題詩の注釈についても着手した。無題詩の注釈を同時に進めるに至った経緯としては、句題詩の用例を検討するなかで、無題詩と表現的な重なりが顕著に見られる例が多く見られたため、無題詩も併せて検討した方が良いと判断をしたからである。忠通の詩で繰り返し用いられる表現には、句題詩と無題詩の両方に見出すことができるものもある。そのため、忠通のすべての漢詩を対象に用例を横断的に調査し、共通する詩語についてはその都度併せて検討を加えた。
このように句題詩と無題詩の用例を併せて検討するなかで、新たな成果を得ることもできた。すなわち、忠通の漢詩には複数回用いられている特徴的な表現がいくつかあること、また、首聯(第一句と第二句)と尾聯(第七句と第八句)にも表現上の特徴が見出せることが分かった。これらの成果については既に論文としてまとめているため、2024年度中に発表を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2023年度の当初の計画では、『法性寺殿御集』の句題詩について注釈をすべて終える予定であった。しかし、無題詩の注釈も同時に行い、更に既に注釈を終えた句題詩の語釈が不十分なものと併せて検討・整理を進めたこともあり、まだ手付かずの句題詩が10首ほど残っている。
したがって、現在の進捗状況としては、当初の計画よりやや遅れていると言える。

Strategy for Future Research Activity

2024年度は『法性寺殿御集』所収の句題詩の注釈を完成させた後、無題詩の注釈を進めていく予定である。そして、2024年度内に『法性寺殿御集』に収録されている句題詩と無題詩の注釈を一通り終えることを目標としたい。

Causes of Carryover

残額が僅少であったため、次年度使用額が生じてしまった。2024年度の交付額と合わせて、研究計画の遂行に必要な物品などを購入する際に適正に使用したい。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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