2022 Fiscal Year Research-status Report
元中国人留学生の職業的アイデンティティと発達的ネットワークの変容に関する縦断研究
Project/Area Number |
22K13482
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
叶 尤奇 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (40851291)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 職業的アイデンティティ / キャリア発達 / キャリア満足度 / 転職意思 / ジョブ・パフォーマンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本で働く中国人元留学生を対象とした縦断研究を通じて、彼・彼女らの「職業的アイデンティティ」と「発達的ネットワーク」の変容過程を明確にし、この両者の因果関係を解明することである。この目的を達成するために、日本で働く中国人元留学生を対象とする3回の追跡調査を行い、彼・彼女らの「職業的アイデンティティ」ならびに「発達的ネットワーク」の時系列的な変化を明らかにする必要がある。 令和4年度の実績は、上述の追跡調査の第1回のアンケート調査の質問項目を作成し、予備調査と本調査を実施した点にある。研究計画の通り、令和4年9月から12月の間にSurvey Monkeyを利用して、オンラインのアンケート調査を実施した。その結果、日本で働く中国人元留学生465名のデータを収集できた。また、日本で働く中国人元留学生の職業的アイデンティティと発達的ネットワークの特徴を明確にするため、対照グループとして、日本で教育を受けたことがない中国にルーツをもつ社員100名のデータも収集した。これらのデータを分析した結果、職業的アイデンティティと発達的ネットワークとの関連を検証することができた。また、日本で教育歴があるかどうかによって、彼・彼女らの職業的アイデンティティのあり方が異なっていることが分かった。令和5年度には、それらの調査結果を用いて、学会報告および論文執筆を行う予定である。さらに、第2回のアンケート調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、調査協力者を十分に確保するため、第Ⅰ縦断群と第Ⅱ縦断群に分けて、それぞれ3回の追跡調査を行う予定であった。また、令和4年度には、第Ⅰ縦断群1回目の日本で働く中国人元留学生300名のデータ収集を目標とした。そこで、複数の中国人の職業と趣味関連のオンライン・グループにアンケート調査のリンクを配布した結果、465名のデータを収集できた。それと同時に、対照グループとして、日本で教育を受けたことがない中国にルーツをもつ社員100名のデータも収集できた。現時点では、それらのデータ分析が終わり、英語論文を執筆している最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、アンケート調査第1回の対象者は500名程度を目標とし、令和4年度と令和5年度の2回に分けて実施する予定であったが、令和4年度中に465名のデータを収集できた。そのため、令和5年度では、昨年度に回答した調査協力者を対象とし、第2回のアンケート調査を実施する予定である。調査協力者の減少を想定し、300名程度のデータを収集することを目標としたい。データ収集後、第1回と第2回の調査データを比較分析し、職業的アイデンティティと発達的ネットワークの変化を分析する。それらの結果を用いて、学会報告に積極的に参加し、フィードバックを得て、その内容を今後の論文および研究報告書に反映したい。
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Causes of Carryover |
適切に執行した結果の端数として残額が生じた。次年度のアンケート調査の謝金として使用する。
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