2023 Fiscal Year Research-status Report
技術科教育においてサイバニクス技術の指導で育成される資質・能力の検討
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22K13688
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
川路 智治 茨城大学, 教育学部, 助教 (90909201)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 技術教育 / サイバニクス技術 / 計測・制御 / システム工学 / IoH |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究成果として、サイバニクス技術を学習内容とした授業を開発し、中学3年生を対象に授業実践した。その目的は、通常学級40人を対象とした授業において、サイバニクス技術を扱う際の授業目標、授業内容及び指導方法について検討するためである。 2022年度までの研究成果を受けて授業を開発したが、開発した授業は、HALの実機を用いない授業内容とした。その理由は、HALは高価であり、研究実践校以外の学校ではHALの実機を用いた授業は実現不可能と考えられるからである。本研究課題では、研究成果をもとに、全国の学校で実施可能なサイバニクス技術を学習内容とした題材の開発を目指している。 HALの実機を用いない代わりに、サイバーダイン社から提供を受けた映像や資料、研究代表者らが作成したワークシートを利用した。学習内容としてHALの機能と仕組み、HALによる治療の効果、医用工学における技術の役割を設定した。また指導方法として、学習内容のHALの機能と仕組みでは、ジグソー法を活用し,A:サイバニクス技術の概念、B:HALの動作原理と仕組み、C:サイバニクス治療の根拠と仕組み、D:HALの開発と普及を知らせた。学習内容のHALによる治療の効果では、疑似体験を取り入れてHALの治療効果を理解させた。開発した授業を茨城県内の中学3年生を対象に授業を実践した。その結果、技術科の授業においてサイバニクス技術を扱った授業は実践可能であると考えられた。 これらのことから、本研究課題の目的である、人とロボット、IT技術を融合した技術に関する指導内容と指導方法を確立に向けて、サイバニクス技術に関する授業を通常学級の40人授業において授業実践することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
技術科の授業として、サイバニクス技術の授業を通常学級の40人を対象に実践することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、サイバニクス技術の授業を、基本の技術の理解(2023年度までの成果)と設計・製作を含む題材として開発し授業実践を行う。授業実践後は実施前後のアンケート結果の集計、生徒のワークシートの記述、授業の様子からプロトコルデータをとり提案題材の有効性や課題を分析する。分析の結果から、サイバニクス技術を扱った題材が育成できる資質・能力を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
本研究課題では、2024年度にも引き続き通常学級40人を想定した題材を開発・実践し、授業実践により得られた知見をふまえ、サイバニクス技術を扱った題材が育成できる資質・能力を明らかにする予定である。2024年度の研究推進を見越して2023年度分を繰り越した。
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