2022 Fiscal Year Research-status Report
界面反応活性種の粒子サイズ制御に基づく選択酸化と二酸化炭素転換反応への展開
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22K14540
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
保田 修平 富山大学, 学術研究部工学系, 特命助教 (40883632)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / ゼオライト / 炭化水素活性 / 二酸化炭素活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、多孔質材料と金属カチオン種を組み合わせた材料を触媒として、メタン酸化反応において、メタンを量論的に一酸化炭素と水素へと変換することに成功した。アルミノシリケート型ゼオライトは、細孔内にイオン交換サイトを有し、そこへ金属カチオンを配位させる事により、金属イオンまたは金属粒子の触媒性を制御・変調することが可能である。本研究では、上記の特性を生かし、ゼオライトと金属カチオン種を組み合わせた材料の設計/合成に着手した。金属種として第4周期元素のCr、Co、Niを採用し、金属含有ゼオライトを合成した。ゼオライトにNi種を含浸担持することにより、Ni種を超微粒子として導入し得ることを見出した。さらにメタン酸化反応に対する金属粒子サイズ効果、そのNiOのレッドクス性能の粒子サイズ効果について明らかにした。また、Cr種、Co種についても同様に金属粒子のナノサイズ制御に成功した。これらナノサイズ制御した金属種を含有した触媒を用いて低級炭化水素の脱水素能、酸素活性能について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までの検討から、金属種のナノサイズ制御の手法開発に着手し、ナノサイズ金属種触媒の調製条件の検討から、金属種をナノサイズで制御することが達成できた。さらに、ゼオライト骨格内Al種と導入金属種との関係から、金属種特にCr種が高分散のとき低分散のときで原子価が変化することを見出した。さらに、ナノ粒子サイズ制御に成功した金属種を含有した触媒を用いて炭化水素と二酸化炭素を同時活性化によるカップリング反応をおこなったところ、金属種の粒子サイズがカルボン酸合成に顕著に影響することを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの検討から、金属種の粒子サイズが炭化水素と二酸化炭素の同時活性化に重要であり、さらにナノオーダーの金属種粒子サイズが比較的高い触媒性能を明らかにすることが分かったが、生成したカルボン酸の収率を向上させるという点で二酸化炭素を炭化水素にインサートする反応が実現できたとは言えない。触媒性能評価に関して、金属種含有量、触媒量などの反応条件を見直すことが必要であると考えられる。そこで、本年度では、昨年度までの検討で成功した金属種ナノサイズ制御触媒を用い、CO2挿入反応について反応条件の最適化、反応機構解明を実施する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属機関が東京工業大学から富山大学に2023年1月付で異動となった。そのため、大学間移動と科研費移管に関わる手続きが必要となった。移管手続きについて2023年2月に完了したため、当初予定していた金属サイズのコントロール実験である種々の市販担体を用いた金属含有材料の調製に関しては次年度に実施する。
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