2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K14843
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
村田 希 愛媛大学, 学術支援センター, 助教 (50808110)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 機能性食品 / ポリフェノール / アントシアニジン / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋は人体で最大の組織であり、運動や代謝において重要な役割を果たしている。われわれはこれまでに、アントシアニジン類の一種であるデルフィニジンをマウスに投与することで尾懸垂によって誘導される筋重量の低下が改善することを見出した。骨格筋の量と機能を維持することは、身体活動だけでなく健康を維持する上でとても重要である。本研究では、デルフィニジンと骨格筋の関係に着目し、デルフィニジンが筋線維型ならびに運動機能と代謝能力に与える影響を明らかにすることを目指している。 これまでの検討において、培養骨格筋細胞を用いてデルフィニジンが筋線維型へ与える影響を検討した結果、遅筋型へ変換することを見出した。筋線維型の制御においてAMPK経路が関与していることが報告されており、AMPKの阻害によりデルフィニジンの筋線維型変換作用が消失した。 デルフィニジンがAMPKの活性化に関わるシグナル伝達経路に与える影響を検討した結果、上流のLKB1やCaMKK2を活性化することを明らかにした。デルフィニジンの筋線維型変換作用について現在論文投稿の準備中である。 また、緑茶カテキンの主成分であるEGCGが筋線維型に与える影響を評価した結果、EGCGは培養骨格筋細胞をの筋線維型を遅筋型へ変換することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デルフィニジンによる遅筋線維型変換作用機構を明らかにし、論文として投稿する目処が立っている。また、デルフィニジン以外の食品成分として緑茶カテキンEGCGが筋線維型を遅筋型へシフトさせることを見出した。 上記の通り、各検討項目において成果を示したことから判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、下記の研究を推進する。 1) デルフィニジンの筋線維型変換作用について動物実験を行う。 2) デルフィニジンの筋線維型変換作用を増強する食品成分を探索する。 3) EGCGの筋線維型変換作用機構を明らかにする。
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