2022 Fiscal Year Research-status Report
クロマチンリモデリング因子による酸化ストレス制御を介した新規大腸癌治療法の開発
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22K15546
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
中村 元 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10792666)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸癌 / NRF2 / クロマチンリモデリング複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
切除不能大腸癌の予後は未だ極めて不良である.申請者はこれまで,大腸癌において細胞表面膜貫通蛋白であるsix-transmembrane epithelial antigen of the prostate 1(STEAP1)が,酸化ストレスに対する生体防御遺伝子の発現を誘導する転写因子として知られるnuclear factor-erythroid 2-related factor 2(NRF2)の発現を誘導し,細胞内活性酸素種を低下させることでアポトーシスを回避していることを見出した.以後の検討で,代表的なクロマチンリモデリング複合体であるPBAFに特異的に存在する複数のサブユニットとNRF2との間に正の相関が存在することを明らかにした.そこで今回,将来的な新規治療法の開発を目論み,大腸癌におけるクロマチンリモデリング複合体のNRF2を中心とした酸化ストレス制御機構を解析することを立案し研究を進めてきた.まず第一に,The Cancer Genome Atlas(TCGA)を解析し,PBAFに特異的に存在する複数のサブユニットが大腸癌の予後にいかに寄与するかを検討した.その結果,AT-Rich Interaction Domain 2(ARID2), Bromodomain Containing 7(BRD7), Polybromo-1(PBRM1), PHD Finger Protein 10(PHF10)の発現が上昇している大腸癌患者は有意に予後良好であることを示した.今後これらの分子とNRF2との関連についての解析を検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の各PBAF複合体サブユニットをCRISPR/Cas9システムによりknock outし,NRF2の発現や細胞内ROSに与える影響を検討しているが,stable cloneの樹立にやや時間を要している.
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Strategy for Future Research Activity |
複数の大腸癌細胞株において各PBAF複合体サブユニットの発現を抑制し,発現変化により細胞増殖に与える影響を検討する.さらに,NRF2やその下流に存在する各種抗酸化分子の発現変化を解析し,細胞内活性酸素種に変化が生じるかの評価を予定している.
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Causes of Carryover |
PBAF複合体サブユニットをknock outしたstable cloneが樹立できた後に行う予定の研究が遅延しており,次年度使用額が生じた.
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