2023 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージをターゲットとした新しい心血管イベント予防法開発
Project/Area Number |
22K16105
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
江本 拓央 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80855023)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / シングルセル解析 / 冠動脈疾患 / 急性冠症候群 / 慢性冠症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
最新の我が国の人口動態統計では、死因の第2位が心疾患でありその内訳では、動脈硬化を原因とする、虚血性心疾患が多くを占める。動脈硬化の予防、治療について、この数十年で大きく進歩したことが平均寿命の延長に大きく貢献したが、虚血性心疾患の中でも、突然発症する心筋梗塞を含む急性冠症候群(ACS)における致死率は高く、その予防は極めて重要である。そこで、冠動脈粥腫切除術(directional coronary atherectomy: DCA)で得られる慢性冠症候群(安定狭心症)患者のプラークと急性冠症候群患者のプラークをシングルセルRNAシークエンス (scRNAseq) で比較し、ACSプラークの特徴を明確に捉えた。マクロファージ(Mφ)は、TNF+ Mφ、C1Q+ TREM2+ fibrotic Mφ、CXCL3+IL1B+ inflammatory Mφの3つに分けられた。ACSプラークでのみCXCL3+IL1B+ inflammatory Mφを認めたため、このMφの動脈硬化不安定性に与える意義について調べるため、動脈硬化退縮モデル(LDL受容体ノックアウトモデルに高脂肪高コレステロール食を負荷して動脈硬化を強く誘導した後に、普通食に戻すモデル)を使い、食事を普通食に戻した際に、抗IL1B抗体とCXCL3の受容体であるCXCR2阻害薬の2剤を同時に投与した。シングルセル解析を行うと、好中球、単球の浸潤が抑制され、動脈硬化の進展を食い止めることができる可能性を示すことができた。T細胞については、central memory CD4陽性T細胞が急性冠症候群のプラークでのみ集積しており、また、樹上細胞においてHLA-DR,DQ,DPはACSプラークで発現が上昇していた
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Research Products
(3 results)