2023 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子FoxO1/PPARαを用いた選択的インスリン抵抗性の病態解明
Project/Area Number |
22K16422
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北本 匠 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (90916173)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖尿病 / インスリン抵抗性 / Foxo1 |
Outline of Annual Research Achievements |
FoxO1とPPRAαの相互作用を明らかにするために、FoxO1とPPARαの発現プラスミドを作成し、Luciferaseアッセイを行った。肝糖 新生の律速酵素をコードする主要な制御遺伝子であるG6pcについて、Foxo1とPPARαのChIP-seqのデータから、両者が結合するPromoterおよび Enhancer領域を同定し、Luciferaseコンストラクトを作成した。実験の結果、FoxO1とPPARαはG6pcの発現を相乗的に強めることが確認された。この効果はEnhancerのみでは認められず、EnhancerとPromoterが揃わなければ得られなかった。続いて、肝細胞特異的FoxO1/PPARαダブルノックアウトマウス(LFPKO)における糖代謝のフェノタイピング及び糖新生関連の制御遺伝子への影響を評価した。LFPKOマウス、各シングルノックアウトマウス、および対照群を4時間絶食した後に肝組織を採取し、RNA-seqを用いて遺伝子の発現変動を分析した。Foxo1およびPPARAのChIP-seqデータを用いて、これら遺伝子のうち、FoxO1またはPPARAに結合する遺伝子のみを選択した結果、それぞれ483、1009、557の遺伝子群に絞られた。オントロジー解析を行い、これら遺伝子は糖代謝及び脂肪酸代謝において有意な発現変動を示し、特に糖代謝においては両転写因子の相乗的な影響が示唆された。肝糖新生経路に関わる遺伝子群について詳細に分析したところ、多くがFoxO1とPPARAの両者の影響を受けていることが明らかになった。これらのマウスから単離した肝細胞及びマウス個体を用いて、LFPKOマウスは耐糖能の改善及びインスリン感受性の向上させることが確認された。
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