2022 Fiscal Year Research-status Report
全ゲノム解析による食道癌の周術期補助療法と早期再発に関する研究
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22K16508
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉田 静紀 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50767853)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食道癌 / 免疫微小環境 / 早期再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌手術症例の中で比較的最近手術を行なった症例の中から、原発巣のブロック標本を用いてRNAシークエンスを行う前準備として、Agilent社のバイオアナライザーでRNAの状態の評価を行った。全体的に切除、固定してから時間が経過しており、残存しているRNAの質は不良の可能性も示唆されたが比較的質の良さそうなものを数例実験的にRNAシークエンスへ提出した。現在解析結果待ちである。 また、原発巣は化学療法の影響で腫瘍自体が消失したりして微小環境の評価が難しい可能性が示唆されたため、腫瘍近傍のリンパ節(食道癌取扱規約の106recR)のリンパ節標本において、腫瘍微小環境の評価を行うために、PD-1、PD-L1、FoxP3、CD4、CD8等の免疫組織染色をおこなった。免疫組織染色の結果と患者の予後等を比較したところ、106recRリンパ節のPD-L1、FoxP3陽性と予後に相関を認めた。 食道癌の早期再発に関わる遺伝子の候補をリストアップするため、本邦における公開データベース(NBDC)からデータを取り寄せたが、予後や再発に関する情報が含まれておらず、遺伝子変異と予後や再発との相関を検討することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNAシークエンスを既存のブロック標本から行う予定であり、そもそも検査自体が可能かどうかを検証するために時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
食道癌のリンパ節標本における免疫組織染色の症例数を増やす。現在は腫瘍近傍での微小環境の評価をおこなっているが、今後は腫瘍近傍と、腫瘍から離れた部分でのリンパ節標本における免疫微小環境の違いと予後に関する検討も行う予定であり、腫瘍から離れた部分でのリンパ節(取扱規約でいう3群に当たるリンパ節)の免疫組織染色も進めていく予定である。 さらに、RNAシークエンスの結果を待って、評価可能であった場合は症例数を増やして早期再発と遺伝子変異の関連性を検証してく予定である。
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Causes of Carryover |
院内倫理審査の通過に時間を要したため、RNAシークエンス等の開始時期が遅れたため次年度使用が生じた。 未使用額はRNAシークエンスに使用予定である。
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