2022 Fiscal Year Research-status Report
髄膜腫微小環境におけるSiglec-15を標的とした治療開発
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22K16663
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
札場 博貴 大分大学, 医学部, 助教 (00772930)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 髄膜腫 / Siglec-15 |
Outline of Annual Research Achievements |
Siglecはシアル酸と結合する細胞表面タンパク質であり、Siglec-15はPD-L1と類似した免疫調整機構を持つ。Siglec-15は、腫瘍細胞や腫瘍関連マクロファージに発現する新たな免疫チェックポイント分子であり、また、Siglec-15とPD-L1は相互排他的な発現傾向を示す。 本年度は髄膜腫の50切除検体のSiglec-15発現を免疫組織化学染色で検証した。悪性髄膜腫7検体のうち6例でPD-L1発現の発現がない一方、Siglec-15は強発現していた。また、髄膜腫細胞株に関して、Western blottingでSiglec-15、PD-L1発現を検証した。生存曲線を評価したが、現在のサンプル数では有意な結果は得られなかった。 また、ヒト由来の悪性髄膜腫細胞株2種(HKBMM,IOMM-Lee)とマウス由来の悪性髄膜腫細胞株(MGS2)を検証したところ、IOMM-Leeにおいて、PD-L1に加え、Siglec-15の発現も確認された。PD-1/PD-L1経路阻害と抗Siglec-15療法を併用することにより、強い抗腫瘍効果が得られる可能性が示唆された。一方、MGS2では、Siglec-15、PD-L1のいずれもタンパク発現がみられなかった。動物モデルにおける評価は、次年度に向けた課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫組織染色など、おおむね順調に終了し、評価を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
MGS2のマウス脳腫瘍モデルにおける、腫瘍微小環境を評価し、治療実験に移行できるか検証する。
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Causes of Carryover |
実験の効率化により、本年度に計上した経費がかからなかった。次年度は動物実験を予定しており、課題継続に必要である。
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Research Products
(3 results)