2022 Fiscal Year Research-status Report
鼻ポリープに常在する特殊なメモリーT細胞に着目した好酸球性副鼻腔炎の病態解明
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22K16924
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
米田 理葉 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (20868533)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Th17型炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
R4年度はTRMに発現するIL-21Rの機能的意義の検討を実施した。すなわちECRS患者より採取した鼻茸をホモジナイズし、IL-21刺激を加えて培養し鼻茸中リンパ球のmRNA発現解析と培養上清に放出されたサイトカイン量を測定した。また併せて採血検体より作成したPBMCも培養を行いコントロールとした。 実験では複数のIL-21濃度とCD3/CD28刺激を組み合わせて計12群の検討を行なった。まずRT-PCRによるmRNA解析ではCD3/CD28刺激下においてIL-21濃度依存性にIL17A発現量が優位に増加した。また有意差こそ無いもののIFNG、IL4、IL17Fも同様にCD3/CD28刺激下でIL-21濃度依存性に発現が増加する傾向が見られた。 続いて培養上清中のサイトカイン測定を行ったところ、CD3/CD28刺激下においてIL-21濃度依存性にIL17-Aが有意に増加し、IFN-γとIL-17Fも有意差こそ無いものの同様に増加傾向であることが確認された。 以上2つの実験から、筆者らが想定するIL-21/IL-21R軸がECRSにおいてTh17型炎症を制御している可能性を支持する結果が得られた。また、IL-21発現TRMがTh17型炎症のみならずTh1型炎症に関与している可能性も示唆され、興味深い結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りECRS鼻茸におけるIL-21R発現TRMの機能解析の実験を行い、想定した通りの実験結果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
タンパクレベルでの解析を予定している。すなわち蛍光免疫染色等によるIL-21Rの局在性、偏在性の確認と、可能であればIL-21産生細胞の同定である。
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Causes of Carryover |
教室が保有する機会・試薬で代用できる部分があったため一部予算は翌年度に持ち越しとしている。次年度はタンパクレベルでの解析を予定しており、この検討に必要な試薬購入などに充てる予定である。
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