2022 Fiscal Year Research-status Report
The role of public assistance program in reducing oral health inequalities among older adults
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22K17266
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木野 志保 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30901558)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生活保護 / 歯科受診 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活保護受給者は医療扶助制度により、必要な歯科受診は無償で受けられる。この制度により、生活保護受給者の歯科受診に対する経済的障壁を軽減する可能性がある。そこで、今年度は以下の2つの研究を実施した。データは、日本の高齢者を対象とした2019年大規模疫学調査を使用し、ロバスト分散を用いたポアソン回帰分析で共変量を調整し解析した。 まず「生活保護受給と満たされない歯科医療ニーズの関連」を解析した。調査対象者のうち、33.3%が過去6か月以内に歯痛があったと回答し、そのうち51.3%に満たされない歯科医療ニーズがあった。また、歯痛のある者の中で、非受給者の半数、生活保護受給者の7割で満たされない歯科医療ニーズがあった、共変量を考慮した分析において、生活保護受給者は非受給者に比べて1.24倍(95%信頼区間1.17-1.32)満たされない歯科医療ニーズを多く持っていた。 次に、生活保護受給が歯科受診と関連しているかどうかを解析した。共変量を調整して分析した結果、生活保護受給者は、何らかの理由での歯科受診が24%(Prevalence Ratio: 0.76、95%信頼区間:0.64、0.90)、治療のための歯科受診が23%(Prevalence Ratio:0.77、95%信頼区間:0.65、0.92)、予防のための歯科受診が21%(Prevalence Ratio:0.79、95%信頼区間:0.65、0.95)、非受給者と比較して、少ない傾向にあった。 本研究から、生活保護受給者は歯科治療費が免除されているにも関わらず、非受給者と比較して満たされない歯科医療ニーズが多く、歯科受診が少ないことが明らかになった。今後の研究では、歯科受診行動を推進するために、生活保護受給者が歯科医療にアクセスする際の障壁を明らかにする必要があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、「生活保護受給と満たされない歯科医療ニーズの関連」を明らかにした研究成果を日本公衆衛生学会にて発表し、また「生活保護受給者と非受給者の歯科受診行動格差」を明らかにした研究成果は現在国際誌にて査読中である。 以上の通り、概ね予定通り順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、歯科受診行動のみならず、生活保護受給者と非受給者の間の口腔保健格差の実態を明らかにし、より高度な分析方法を用いて生活保護受給の開始が歯科治療受診を促したかを明らかにする因果推論による検証を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
現在、国際学術誌において3度目の査読中である論文の掲載料として確保していたが、今年度中に受理に至らなかったため、翌年度に本目的で使用する予定である。
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Research Products
(1 results)