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2023 Fiscal Year Research-status Report

WEBマインドフルネスは災害救援者のレジリエンスを高めることができるか?

Research Project

Project/Area Number 22K17526
Research InstitutionTohto University

Principal Investigator

野田 義和  東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 准教授 (50707362)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
KeywordsWEBマインドフルネスプログラム
Outline of Annual Research Achievements

レスキューワーカーとして活動する消防士・救急救命士は様々なストレスにさらされ、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患を生じさせるリスクを抱えている。それがQOLを低下させ、離職や自死のリスクの可能性を高めている。それらの精神疾患はレジリエンスと関連があることが示されており、レジリエンスを高めることが精神疾患の防止につながる可能性がある。そのレジリエンスを高める方法の1つがマインドフルネスである。本研究ではMindfulness-Based Stress Reduction(MBSR)のWEBコンテンツを開発する事が目的の1つである。そして、そのWEBコンテンツを履修したレスキューワーカーが、精神的健康を維持できることを最大の目的としている。
2023年度の研究成果として、レスキューワーカーのQOLに影響するストレスコーピング、ソーシャルサポート、そしてレジリエンスの関係をパス解析で分析した論文が国際学術誌に掲載された。その中で、PTSDの傾向を軽減させるのはActive coping(問題焦点型のストレスコーピング)とソーシャルサポートであり、されにそれらはレジリエンスを高めることに寄与することが明らかになった。一方、レスキューワーカーへの予備調査では、彼らへの精神的なトラウマ体験への介入がほとんどされていないことが明らかになった。介入があったとしても、それは組織としての取り組みではなく、個人単位でのカウンセリングが行われるのみであった。そのため、個人が継続的かつ簡易にカウンセリングを受けられる体制が必要であると明らかになった。
現在、マインドフルネスの専門家と共に、WEBプログラムを作成している。その土台となるWEBシステムは完成しており、動画等のコンテンツの作成を継続している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現在、消防のストレスに対して効果的なMindfulness-Based Stress Reduction(MBSR)の内容を検討しており、先行研究の論文を検討しながら、その効果の有無をレビューしている。予定では、動画等のコンテンツをWEBのシステムに組こんでいる想定であったが、レスキューワーカーの業務に特化した内容の選択に時間がかかり、研究の進行が少し遅れている。同時に、本研究ではWEBコンテンツのMBSRを継続して受講することが重要であるが、継続性が課題であり、途中で脱落するリスクが高い。それを防止するための「継続して受講したくなる仕組み作り」が重要であり、それを模索している。また、マインドフルネスでは、ボディスキャンや瞑想で感じたことの体験を共有することが自分で気づけなかったことを知るきっかけになる。それをプライバシーに配慮した上でどのようにWEB上で共有するかを検討している。共有方法に関しては、消防署内の事情を加味する必要があるため、追加の予備調査を行う必要がある。
本研究で行うMBSRのWEBプログラムでは、動画を20分の内容として8回に分けて実施することを想定している。習得したマインドフルネスをその後も継続して実行することが、レスキューワーカーの精神的健康を維持するのには重要な要素である。楽しく実施できるコンテンツが継続性を高める可能性があるため、次年度も時間をかけて作成を進めていく。

Strategy for Future Research Activity

2024年度も引き続き、Mindfulness-Based Stress Reduction(MBSR)を使ったマインドフルネスWEBプログラムのコンテンツを作成する。それが完成した後、研究協力者20人にプレテストを実施する。その際は、うつ病の尺度やPosttraumatic stress disorderの尺度、睡眠の尺度、レジリエンスの尺度、そしてQOL尺度等の変数の変化をpaired T-testまたは、Repeated ANOVAで分析する。また、研究協力者に感想を貰い、マインドフルネスWEBプログラムの改良を行う。その後、レスキューワーカーの対象群とコントロール群で無作為化対照試験を実施することを計画している。依頼は消防署単位となるため、それぞれの消防士や救急救命士が関係性を持っており、統計的分析の独立性が担保できない。そのため、クラスター無作為化対照試験で実施する。データはプログラム実施前、実施最中(4週前後)、終了後、そして6か月後にデータを取る。データはプレテストと同様の尺度を使う予定である。それらのデータをstataというソフトウェアでマルチレベル解析(Mixed effects model)する。この分析方法は、消防署でのクラスター単位と個人単位をランダム効果と固定効果の両方で分析できる方法であり、nestedしているデータではバイアスが少なくなる特徴がある。
分析後の結果を論文化し、国際ジャーナルに投稿する予定である。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じたのは,前倒し支払請求をしたためである。本年度にプレテストを実施する予定であったが、その時期が2024年度になった。その時に使用する予定であった謝金を使用していない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Assessing the association between probable posttraumatic stress disorder symptoms and quality of life among emergency service workers using path analysis2024

    • Author(s)
      Noda Yoshikazu、Asano Kenichi、Shimizu Eiji、Hirano Yoshiyuki
    • Journal Title

      Work

      Volume: 77 Pages: 573~587

    • DOI

      10.3233/WOR-220551

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2024-12-25  

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