2023 Fiscal Year Research-status Report
母指球筋を用いた新たな筋量指標の開発と疾患予後を予測する指標への応用
Project/Area Number |
22K17576
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
井上 達朗 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (40882303)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | サルコペニア / 高齢者 / 骨格筋量 / 母指球筋 / 超音波画像診断装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は,あらゆる病態のサルコペニア診断へと応用することを目的に「母指球筋」を新たな骨格筋量指標として着目して研究を開始した.2022年度は男性を対象とした研究を遂行し,母指球筋が全身の骨格筋量を反映するマーカーとなるかを確認することができた.当該年度の2023年度は,女性を対象として,研究①健常若年女性を対象としたMRI研究,研究②地域在住中高齢者を対象とした超音波研究を遂行した. まず,研究①として,健常若年女性5名を対象に3テスラ高解像度MRIを用いて利き手の母指球筋の撮像を試みた.昨年度に男性で確立した撮像プロトコルを応用して,円滑にイメージングを達成することができた.得られた母指球筋の撮像画像から母指球筋容量を算出し,全身の骨格筋量として算出した大腿筋容量との相関関係を解析した結果,女性においても高い相関関係を示すことを確認した.その後,超音波画像診断装置を使用して,母指球筋厚(mm)を測定した.超音波画像診断装置で計測した母指球筋厚は,MRIで撮像した母指球筋容量と大腿筋容量と有意に相関することを確認した. 次に,研究②として,新潟県佐渡市在住の40歳以上の地域在住中高齢女性118名のデータを収集して,開発した母指球筋厚の妥当性を検討した.外的妥当性を分析するために生体電気インピーダンス法で測定した四肢骨格筋量を用いた.その結果,母指球筋厚と四肢骨格筋量は有意な相関関係を示し,母指球筋指標が全身の骨格筋量を反映す新たなマーカーとなる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に男性で確立したMRIと超音波画像診断装置を使用した母指球筋測定方法を女性に応用し,概ね問題なく測定が実施できた.この結果,男性に加え,女性でも母指球筋が全身の骨格筋量指標となる可能性を見出すことができた.臨床応用を目的とした地域在住中高齢者のデータ収集は,男性・女性ともに100例以上のデータ収集を終えており,研究は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
現段階で,臨床応用を目的とした地域在住中高齢者のデータ収集は,男性・女性ともに100例以上のデータ収集を終えている.今後も定期的に測定会を開催し,データ収集を継続する予定である.
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Causes of Carryover |
データ収集と解析を効率的に遂行することができたため,人件費を予定より削減することができた.翌年度においては,得られたデータを国内外の学術大会で公表することに重点を置く予定である.
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Research Products
(41 results)
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[Presentation] 急性期脳梗塞患者のサルコペニアが 1 年後の機能予後に及ぼす影響:前向きコホート研究2024
Author(s)
近藤心 , 井上達朗 , 斉藤貴 , 松田拓 , 梅村公子 , 佐藤紀 , 兼松康久 , 小野玲 , 秋末敏宏 , 高木康志 , 松浦哲也
Organizer
第9回日本栄養・嚥下理学療法学会学術大会
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[Presentation] 血液透析患者における悪液質の有症率および QOL の関連2024
Author(s)
八木拓磨 , 井上達朗 , 小川真人 , 岡村正嗣 , 白土健吾 , 白井信行 , 平山昌男 , 平郡康則 , 谷宮尚樹 , 岡田梨沙 , 井上茂樹
Organizer
第9回日本栄養・嚥下理学療法学会学術大会
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[Presentation] 高齢心不全患者において body mass index 低値と運動習慣がないことは予後を悪化させる2024
Author(s)
小澤哲也 , 出岡有希 , 佐藤彩菜 , 平田萌々花 , 佐藤滉晴 , 内山祈 , 善波雄一郎 , 匹野晴香 , 佐藤隆一 , 井上達 朗 , 霜田直史 , 成毛崇 , 弓削大
Organizer
第9回日本栄養・嚥下理学療法学会学術大会
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[Presentation] Combined nutritional and exercise interventions for cachexia in chronic diseases: a systematic review2024
Author(s)
Okamura M , Shirado K , Shirai N , Yagi T , Inoue T , Ogawa M , Erin Stella Sullivan , Stephan von Haehling , Jochen Springer , Stefan D. Anker , Momosaki R
Organizer
16th International Conference on Sarcopenia, Cachexia and Wasting Disorders
Int'l Joint Research