• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

相互行為分析を用いた地域高齢者の複層的調査に基づく地域コミュニケーション学の確立

Research Project

Project/Area Number 22K18259
Research InstitutionThe University of Shiga Prefecture

Principal Investigator

高梨 克也  滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (30423049)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 相川 陽一  長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (90712133)
福島 万紀  都留文科大学, 教養学部, 准教授 (30724009)
今村 晴彦  長野県立大学, 健康栄養科学研究科, 准教授 (40567393)
丸山 真央  滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (80551374)
役重 眞喜子  岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (50847192)
奥村 圭子  長野県立大学, 健康栄養科学研究科, 助教 (40965117)
阿部 廣二  東京都立大学, 人文科学研究科, 客員研究員 (60817188)
Project Period (FY) 2022-06-30 – 2027-03-31
Keywords地域コミュニケーション / 微視的相互行為分析 / 高齢者 / 社会福祉学 / 地域社会学 / 多職種連携 / フィールド調査 / 買物・栄養問題
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,1.高齢者の地域コミュニケーションの複層的な実態把握,2.地域社会学,社会福祉学,微視的相互行為分析の融合による「地域コミュニケーション学」の基盤構築を目的としている.地域コミュニケーションを,A) 地域コミュニティ内での高齢者と他の人々との日常的コミュニケーション,B) 高齢者と専門職・行政職の間でのサービス提供場面,C) 高齢者の生活・福祉に関わる専門職・行政職同士の間での多職種連携,D) 行政職・専門職の所属機関内でのコミュニケーション,という4つの「コミュニケーション・レベル」で複層的に捉えていくことにより,高齢者の日常生活や社会福祉に関わる学術分野間での連携を促進し,統合的な「地域コミュニケーション学」の基盤確立を目指す.
多くの学際研究が単なる「寄り合い所帯」を超えた分野間・研究者間での緊密な連携に困難を抱えていることを鑑み,本研究計画では,1. 同一地域を対象とした複層的調査による学際連携に加え,2. フィールド調査を通じての研究者同士の相互学習の促進と,その中での3. 微視的相互行為分析の積極的な活用,のための枠組み作りを重視している.
今年度は,まず,これまでに行っていた長野県天龍村での買物調査に社会言語学を専門とする新たな研究協力者を追加し,活動を再活性化させた.また,北海道札幌市と厚真町での町内会やまちづくり系企業への聞き取り調査を公衆衛生学,行政学,認知科学を専門とする分担者が合同で行った.さらに,栄養パトロールの調査では,分担者自身によるスーパーバイズの実践を認知科学と会話分析を専門とするメンバーがビデオ収録して,特徴的な相互行為パターンの抽出などの分析を進めた.
調査者以外のメンバーも含めた全体での情報共有と議論を積極的に行うため,対面会合に加え,専用のメーリングリストも積極的に活用した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

「研究実績の概要」の通り,いくつかのフィールド調査において,異分野研究者間での緊密な連携を開始できている.他方,フィールドによっては,各メンバーが単独で調査を進めており,他分野のメンバーが十分に参画できていないものも多い.また,計画はされているもののまだ本格的な調査を開始できていないフィールドもある.
緊密な合同調査が開始されているフィールドについても,研究成果の公表という側面では,2年目の本年度はまだ,本格的な分析やその結果の対外発表を十分に行うまでには至らなかったものがほとんどである.そのため,「調査は合同で進められても,成果発表はまだ個々のメンバーごとに行っている」段階だと言える.

Strategy for Future Research Activity

上記「現在までの進捗」に挙げた課題について,いずれも原因はメンバー間での相互理解の不十分さにあるのでは必ずしもなく,まず調査面については,互いに異なる地方の大学に所属するメンバーがさらに別の地方のフィールドに合同で調査に行く際のスケジュール調整の困難さにその原因がある.そのため,調査主担当者が早めに調査計画を立て,その情報を他のメンバーに共有できるようにしていくためのさらなる工夫を考えたい.
成果発表については,次年度はまだそれぞれの専門領域での原著論文の掲載を増やすことは難しいと考えられるため,共通のデータに対して,各メンバーがそれぞれの方法論を用いて,協働で多角的な分析を集中的に行うためのデータセッションなどを地道に進めていくことが必要になる.また,本研究に関する関連諸分野でのプレゼンスを高めていくため,各メンバーの所属学会大会などにおいて,本研究に関するシンポジウムやパネルディスカッションなどを積極的に企画し,そこに異分野のメンバーも積極的に登壇するようにすることが有効だと考えている.
挑戦的研究という種別の観点から見ても,こうした活動を通じて,より多くの分野の研究者が本研究の試みを周知し,積極的に関わってもらえるメンバーを発掘していくことも重要な活動の一つであると考えている.

Causes of Carryover

合同フィールド調査が十分な頻度・期間で実施できず,各調査に参加できたメンバーの人数も不十分だったことが大きい.また,新規のフィールド調査を開始できるようにすることも重要である.来年度はこうした調査のための旅費やデータ収集のための機器購入,データ整理のための作業発注などをより積極的に行う予定である.
加えて,本研究では,従来メンバーとは異なる分野の新規メンバーの追加は順調に進んでいることから,メンバー同士の間での研究・分野紹介のための会合もできるだけ頻繁に開催したいと考えている.その際,各メンバーの所属分野の外部研究者を招聘して助言などを伺えるようにすることも検討したい.
こうした方向性で順調に進展していく場合には,本年度末頃に,本研究主催の公開シンポジウムを開催し,研究計画の狙い・特色の紹介やその時点までの中間段階での研究成果の報告なども行い,対外的な発信も強化できるのが望ましい.

  • Research Products

    (12 results)

All 2024 2023

All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results) (of which Invited: 4 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] スーパーバイザーによる仮説形成的聞き取りの構造:古典的AIの遺産を踏まえつつ2024

    • Author(s)
      高梨克也
    • Journal Title

      人工知能学会研究会資料SIG-SLUD

      Volume: 100 Pages: 148-153

    • DOI

      10.11517/jsaislud.100.0_148

  • [Journal Article] 相互行為分析を用いた地域高齢者の複層的調査に基づく地域コミュニケーション学の確立:その狙いと工夫2023

    • Author(s)
      高梨克也
    • Journal Title

      人工知能学会研究会資料SIG-SLUD

      Volume: 98 Pages: 13-18

    • DOI

      10.11517/jsaislud.98.0_13

  • [Journal Article] 重いものを受け渡す際の掛け声の相互行為上の機能2023

    • Author(s)
      阿部廣二
    • Journal Title

      人工知能学会研究会資料SIG-SLUD

      Volume: 98 Pages: 49-54

    • DOI

      10.11517/jsaislud.98.0_49

  • [Journal Article] 重いものを受け渡す際の掛け声「もらった」の相互行為上の機能2023

    • Author(s)
      阿部廣二
    • Journal Title

      日本認知科学会第40回大会発表論文集

      Volume: 40 Pages: 477-480

  • [Journal Article] 山村における森林管理の継続要因と限界化にむけた対応策―長野県天龍村を事例として―2023

    • Author(s)
      福島万紀
    • Journal Title

      林業経済

      Volume: 76(3) Pages: 1-12

    • DOI

      10.19013/rinrin.76.3_1

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 「制度づくり・組織づくりから「場づくり」へ:令和のコミュニティ政策を考える2023

    • Author(s)
      役重眞喜子
    • Journal Title

      コミュニティ政策

      Volume: 21 Pages: 62-87

  • [Presentation] 自治体行政におけるブルシット・ジョブの論じ方2024

    • Author(s)
      役重眞喜子
    • Organizer
      第168回関西公共政策研究会
    • Invited
  • [Presentation] アドレス行動の認知語用論的モデル化2023

    • Author(s)
      高梨克也
    • Organizer
      日本語用論学会第26回(2023年度)大会ワークショップ1「会話における発話のアドレス性」
  • [Presentation] 「理解する」ことから「理解している」ことへの遡行(指定討論)2023

    • Author(s)
      高梨克也
    • Organizer
      日本認知科学会第40回大会OS01「行為と活動から「理解」を考える」
    • Invited
  • [Presentation] 行政官僚制とブルシット・ジョブ論―その論点と課題2023

    • Author(s)
      役重眞喜子
    • Organizer
      日本公共政策学会2023年度研究大会企画委員会セッション2「ブルシット・ジョブ、レッドテープあるいは監査社会化~『無駄な仕事』の研究」
    • Invited
  • [Presentation] 自治体行政の現実とEBPM(指定討論)2023

    • Author(s)
      役重眞喜子
    • Organizer
      政策情報学会第19回研究大会メインセッション2「EBPMの最前線」
    • Invited
  • [Book] 「橋渡し人材」と「出し手側の問題解決」(過疎地域の移住受入施策・体制に関する調査研究報告書)2024

    • Author(s)
      役重眞喜子
    • Total Pages
      4
    • Publisher
      一般社団法人全国過疎地域連盟

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi