2023 Fiscal Year Research-status Report
The Role of Higher Education Institution in Supporting the Independence of Students after Social Care
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22K18605
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
谷向 みつえ 関西福祉科学大学, 心理科学部, 教授 (20352982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠中 宗一 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (10141855)
荒屋 昌弘 大阪人間科学大学, 心理学部, 助教 (30880819)
荒木 敏宏 関西福祉科学大学, 心理科学部, 教授 (30900279)
相谷 登 関西福祉科学大学, 心理科学部, 教授 (70340841)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 社会的養護 / 自立支援 / 高等教育機関への進学 / アフターケア / リービングケア / 児童養護施設 / 学生の多様性 / 中退予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、以下の2つの調査を実施し、3次調査の準備に取りかかった。 1)全国の児童養護施設を対象に「施設から大学等へ進学した学生の自立支援に関する調査」(一次調査)を郵送とWebを併用して行い、187施設から回答を得た(回収率30.6%)。調査内容は、(1)施設のリービングケアの体制と支援、(2)施設のアフターケアの体制と支援、(3)個々の進学者の状況、(4)施設の基本情報から構成されており、2022年までの5年間の児童養護施設から高等教育機関への進学者の動向(進学率、退学率、措置延長者数等)、施設の自立支援に係る取り組みや職員配置、進学後の自立支援の状況、施設職員が進学者に対して抱く様々な問題や懸念、支援ニーズ、加えてこれまでの進学先との連携等についての状況が明らかになった。これら調査の分析結果は日本児童養護実践学会(2024年3月)において発表した。 2)一次調査で「進学者の自立支援に関するインタビュー調査」(二次調査)への協力を要請したところ、32施設の自立支援担当職員から協力の申し出があった。順次、インタビュー調査を開始し、年度末には6施設のインタビューが終了した。 今後もインタビューを継続し、10施設のデータが収集されたところで質的分析を行う予定である。 これら施設の自立支援に関する調査の結果は、2024年度に成果発表する予定で準備中である。 3)大学等の進学先への3次調査の準備として、調査用紙とインタビューガイドの作成、研究倫理審査申請の手続きを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在、大学等の高等教育機関への調査の準備を進めているが、2024年度4月に障害者差別解消法の改正・義務化が施行されるのに伴い多くの大学が学生支援や学生相談の制度を変更している。他方、児童福祉法改正法の社会的養護自立支援拠点事業等も同じく2024年4月からスタートするため現場の状況が落ち着いていないことが窺える。そのため調査の時期を2024年度半ばに検討している。 1年目の6月末に採択結果を受けて以降、一次調査の時期を次年度に延期した(施設側の繁忙期を避けるため)ことも一因となり計画の遅れが蓄積している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度上半期に、社会的養護経験者を受け入れている大学等の高等教育機関への訪問調査と郵送調査を行う。訪問調査は一次調査で収集された児童養護施設からの進学者を受け入れている高等教育機関のリスト、ならびに社会的養護経験者対象の推薦制度がある大学・短大から、先駆的な取り組みや支援体制が確立されている高等教育機関を選び、インタビュー調査を行う。 さらに高等教育機関の社会的養護に関する受け入れに関して、大学の学生支援の部署、学生相談室、SSWが在席するような各種相談室等の全体的な動向を知るために、郵送・Web調査を行う予定である。 2023年度の調査も含めてこれらの成果は随時、学会で発表の予定である。また、調査報告書を作成し協力施設に送付するのと同時に、ネット上に掲載して実践現場に還元したいと考える。
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Causes of Carryover |
高等教育機関への調査の委託費ならびに訪問調査の旅費が、調査の延期により2024年度の支出となり次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)