2023 Fiscal Year Research-status Report
マイクロCTを用いた神経回路形態の解析法を開発する
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22K19403
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古田 貴寛 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60314184)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | マイクロCT / 脳組織 / 形態解析 / ニューロン / FIB-SEM |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、脳組織に電子顕微鏡実験のための処理を施したものを研究サンプルとして、マイクロCTで撮像/解析することを主軸とした実験である。初年度は、マイクロCTデータを解析するシステムを整えることと、サンプル処理プロトコルの検討を行なった。2年目は、オスミウム染色についてさらに良いプロトコールを検討した。条件の異なるオスミウム反応液を用いて、2回の処理を重ねることにより、より強いオスミウムの沈着が確認された。ただし、このオスミウム反応を2回行う方法は、特定ニューロンの形態を標識したDAB産物だけでなく、一般的な微細構造(細胞膜やオルガネラなど)も強く染色するため、最も最適な実験条件を用いる必要があること明らかになった。また、サンプルの形状や撮影台へのマウントの仕方を検討する必要がある。特にサンプルを線源に近づけることが重要であることがわかってきたので、その点を中心に条件検討を行なった。具体的にはサンプルをできるだけ小さい状態で準備し、細いエポン台に載せることによって、分解能の向上を検討した。使用するマイクロCT機器における、最小作動距離においてデータ取得することが最も高い分解能やコントラストが得られることがわかった。大きな脳組織から小さい領域に狙いをつけてサンプルを削り込んでいく際の方法について、現時点でも実現可能であるが、より汎用性の高くかつ簡便な方法を見出すことを進めている。さらに、得られたCT画像データについて、レーザー顕微鏡のデータと3次元的に照合を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに実験が実行され、所定の結果が得られている。特に作動距離に関連してサンプルサイズを検討することは、この計画全体を通して、非常な重要なポイントである。
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Strategy for Future Research Activity |
超微細構造の三次元データを取得できる集束イオンビーム走査型電子顕微鏡(FIB- SEM)での解析も組み合わせ、包括的形態解析を実現する。本課題の技術の活用例としては、様々な病態モデルの解析において異常をきたしていることが指摘されている樹状 突起スパインの形状について、本開発技術が持つ高い解像度を生かし、「定量的」な評価(長さや太さを精密に測定)を試みる。
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Causes of Carryover |
組織染色等の実験に使用した試薬類や消耗品等については、運営交付金で購入したものなどの余剰分を活用できたため、本課題の予算の支出が減少した。2022年度と2023年度の使用額が減少した分は、2024年度の使用額として、本課題の実験に使用する試薬類に使用する予定である。
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Research Products
(14 results)