2023 Fiscal Year Research-status Report
転移時のがんー間質相互作用を標識するin vivo ケミカルラベリング法の開発
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22K19464
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
坂本 毅治 関西医科大学, 医学部, 教授 (70511418)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 転移 / ケミカルラベリング |
Outline of Annual Research Achievements |
error-prone PCR法によりHRP/mgSrtAにミュータジェネシスを行い、多様な変異を導入した酵素配列を取得した。これらの変異導入酵素をpDisplayベクターを用いて細胞膜上に発現させ、かつT2A配列下にtdTomatoを挿入したレンチウイルス発現ベクターを作製し、Jurkat細胞に遺伝子導入しライブラリー細胞を作製した。このライブラリー細胞に対して、HRP、mgSrtAそれぞれ既報の酵素反応条件を参考にして、ライブラリー細胞の細胞膜上で酵素活性依存的な近傍タンパクのFITCラベルを実施した。標識後の細胞をフローサイトメトリーに供し、tdTomatoの発現量で補正した際のHRP/mgSrtAラベリング活性を解析した。まず、Jurkat親株と野生型の酵素を発現する細胞でのFITCラベルを比較した結果、野生型配列で十分なラベル化が検出できることを確認した。続いて、野生型とライブラリー細胞との比較を行った。その結果、loss of functionの表現型を示す変異は多く認められたが、野生型配列に比べてラベリング効率が上昇したHRP/mgSrtA発現細胞を得ることが出来なかった。以上の結果から、今回用いたライブラリー細胞では、野生型の酵素活性を上回るラベル化効率を示す変異型酵素の同定にはいたらなった。そのため、今後は変異導入を増やしたライブラリー細胞の作製とスクリーニングを実施するライブラリー細胞のスケールアップにより、問題点の解決を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
スクリーニングまでは順調に進んだが、スクリーニングの結果、野生型の酵素活性を上回る活性をもつHRP/mgSrtAが取得できなかった。原因として、mutagenesisの効率の低さやライブラリー規模が小さすぎた可能性が考えられるため、この点について改善を試みる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施期間を1年間延長し、mutagenesisの頻度を上げたライブラリーを作製しなおし、あ新たな改変HRP/mgSrtA発現ライブラリー細胞を作製する。そののち、FCMを用いたスクリーニングを行い野生型に比べてラベリング活性が上昇した細胞を取得し、変異型HRP/mgSrtAのシーケンス情報を取得する。活性が上昇した変異型HRP/mgSrtAをがん細胞に発現させ、in vitroおよびin vivoでの近傍細胞のラベル化を確認し、血行性転移における血管内皮細胞ラベリングの新たな手法として有用かどうかを評価する。
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Causes of Carryover |
ミュータジェネシススクリーニングにより野生型を上回る活性を持つ変異型酵素が取得できなかったため、予定していたin vitro, in vivoの実験が実施できなかった。現在考えられる問題点を改善したライブラリーを作製しており、再度スクリーニングを実施し酵素活性の改善が見られた変異体を得られ次第当初実施予定のin vitro, in vivoの実験を行い必要な予算執行を行う予定である。
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