2022 Fiscal Year Research-status Report
腎オルガノイドを用いたForward Geneticによる腎線維化制御機構の探索
Project/Area Number |
22K19518
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
蘇原 映誠 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (90510355)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Keywords | 腎線維化 / 腎オルガノイド / CRISPR |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease; CKD)に直結する腎機能の低下は糸球体病変ではなく、尿細管間質病変としてよく観察される「線維化」とよく相関し、これらの進展がその共通機序として考えられている。しかし、複雑で多様な細胞が関与する腎線維化を、単純かつ単一の培養細胞で再現することは不可能であり、優れたスクリーニング系の構築を困難にし、腎線維化ひいてはCKD研究の進展を阻んできた。本研究では、Forward Geneticsを遺伝性腎線維化疾患モデルiPS細胞由来の腎臓オルガノイド上で応用し、我々の開発した腎線維化を可視化できる腎臓オルガノイド技術を加えることで、CKD進行を支配する因子を明らかにすることを目指す。 初年度はCRISPRでのスクリーニングを可能にするために、線維化シグナルによって蛍光が得られるiPS細胞にCas9安定発現させる株の作成を行い、FACSを用いた線維化進行因子をノックアウトした細胞のスクリーニングの施行が可能な状態まで研究が進んできた。次年度はスクリーニングによって候補遺伝子を得ることを目指す。 腎臓オルガノイドを用いたForward Geneticsへの挑戦は前例がなく、今までの他臓器などに依存したReverse Geneticsではなく、腎臓固有の全く新しい線維化機序を明らかにすることを目指す。今まで腎臓固有の腎線維化の確固とした分子機構は不明であり、同定されればCKD進行に明確に関わる分子をターゲットとした病態解明と治療法開発が可能とする貴重な発見となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基盤となるiPS細胞作成が完成し報告できており、初年度としての予定した進展は認められる。
|
Strategy for Future Research Activity |
腎線維化にともなってGFPを発現するiPS細胞が完成しており、CRISPRシステムを使用するためのCas9安定発現株によるランダム遺伝子欠損によるスクリーニングを行い、候補分子を得る。
|
Research Products
(5 results)