2022 Fiscal Year Research-status Report
損傷神経機能と感覚受容を超回復させるシナプスコネクトとAI機械学習解析系の開発
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22K19590
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
武内 恒成 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90206946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90252725)
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40242440)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 神経再生 / 脊髄損傷 / 神経回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経(興奮性)シナプスを人為的に結合する人工シナプスコネクターCPTXの合成に成功し、脊髄損傷マウスの劇的な生理機能回復を示した(Science)。この人工シナプスコネクターは全く新規のコンセプトでの人工キメラ分子であり、時間領域特異的に狙ったシナプスの人為的な形成を神経再編過程で可能とする。本研究は、このCPTXを応用した超回復モデルを推進し、応用展開を図ること。さらに、このモデル系を活用しリハビリテーションを組み合わせる。これらをAIモーションキャプチャーシステムによって歩行回復のパラメータを多数抽出し機械学習で解析する。ここからヒトの回復過程に外挿可能なモデル系構築とパラメータをAI利用で抽出解析する。 この研究期間内にAI機械学習による歩行回復データを取るシステム構築を進めることが出来た。一つは暗黒化でのFootPrint歩行解析系で、もう一つはFootslipの自動解析系である。これまで脊髄損傷回復においては客観的なデータを取ることが難しく、かつマウスを活動的な状況にしておいて歩行をみることは困難だったが、前者では暗黒条件でマウスを活動的にした状況で足跡の解析を、さらに後者では主観に頼らざるを得なかったFootFall(足踏み外し)を自動計測するシステムを構築した。 さらに、次世代人工シナプスコネクターの開発から可能となった、抑制性シナプスへの人為的接続・介入と、神経再生因子の人工シナプスコネクターが新たに開発され、脊髄損傷後における、抑制性ニューロンの機能解析とともに、これまでのCPTXとは異なる新たな人工キメラ分子による、生理機能回復の可能性を追跡できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AIモーション解析は予定通りに推進出来ている。さらに 新規の人工シナプスコネクターを用いた解析に突入することが出来た
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Strategy for Future Research Activity |
当初来計画にあげていた、次世代の人工シナプスコネクターの開発が計画以上に進んでいる。抑制性シナプスコネクターによる「脱抑制」の人為的制御をすすめて、神経生理機能回復における新しい概念を提示したい。 また、神経成長因子における機能回復の可能性を追跡し、積極的に回復へ向かうこれまでのコネクターCPTXと比較しながら新たな回復モデルの開発を進める。 シナプス機能による回復とともに、脱抑制機能や成長因子など多面的な側面から、中枢神経系の損傷後回復について、マクロではAIモーションキャプチャなどを駆使しながら解析を推進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大による影響での部品不足から導入予定の機器の購入が遅れたため。
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Research Products
(10 results)