2023 Fiscal Year Research-status Report
Toll様受容体8に着目したシェーグレン症候群の新たな診断・治療戦略
Project/Area Number |
22K19631
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20452774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 琢磨 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (30554505)
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 特任教授 (60189040)
坪井 洋人 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80580505)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / Toll様受容体8 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)患者レジストリを利用したTLR8 とその関連分子の診断能の検証 東大医科研で作成した可溶性TLR8抗体を用いて血中のTLR8および昨年度の研究でシェーグレン症候群(SS)で発現亢進していたTNF-αについて各疾患群(SS、唾石症、口腔乾燥症、健常者)の血液中の濃度を計測したところ、SS は他の群と比べ、有意に高いことが明らかになった。さらに、同定された分子が診断に有用かを検証するため、申請者が研究協力者(SS分科会およびガイドライン策定委員)として参加している厚労省研究班(森班)の患者レジストリを利用して、多施設で採取したSS の臨床情報および血液サンプルを用いて、診断能(感度、特異度、重症度分類)に検討するため、倫理申請を進めている。
2)TLR8 による唾液腺炎発症のメカニズムの解明 -in vivo- 共同研究施設である東京大学医科学研究所では、ヌクレオシドトランスポーターであるSLC29A3に注目し、SLC29A3をノックアウトさせることで、リソソーム内のTLR7/TLR8のアゴニストであるヌクレオシドが外部に放出できずにリソソーム内に留まるようにさせる「SLC29A3ノックアウトマウス」を作成した。このマウスは、恒常的にTLR7/8が刺激をされ、脾腫やIgGの上昇を認めることが明らかになっている(Shibata T, et al. JEM 2023)。さらに、そのSLC29A3ノックアウトマウスはTLR7/8を発現している顎下腺に単球/マクロファージだけではなく、T菜病やT細胞などのリンパ球浸潤を認め、野生型マウスと比較して唾液分泌量の有意な低下も認め、シェーグレン症候群に類似した表現型を呈した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究施設である東京医科学研究所とも密に連携を行っており、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
東大医科研で作成したSLC29A3ノックアウトマウスがなぜ唾液腺に著明なリンパ球浸潤や唾液分泌量の低下をもたらすか、その機序を解明する。さらに、厚労省研究班(森班)の患者レジストリを利用して、可溶性TLR8が診断やモニタリングに有用かを検証する予定である。
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Causes of Carryover |
研究はおおむね順調に進んだが、患者レジストリを用いた検索がまだ未施行であることや当初行う予定だったin vitroの実験に要する試薬の費用が少なく済んだ。また、参加を予定していた学会などに参加できなかったことにより、旅費をあまり使用しなかった。その分は今後のレジストリ研究やSLC29A3 KO/huTLR8 Tg マウスの解析に予算を厚くして、研究を推進する。
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