2022 Fiscal Year Research-status Report
父親と母親の「食」に関する家事・育児の協同の要因および幼児の食事・食行動への影響
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22K20199
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Research Institution | The University of Nagano |
Principal Investigator |
吉井 瑛美 長野県立大学, 健康発達学部, 助教 (80965046)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 食に関する家事 / 協同 / 父親 / 母親 / 食事づくり経験 / 就労環境 / 認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、幼児の父親の食に関する家事参画の実態と参画の要因を検討することを目的に、共働き世帯の父親500人を対象にWeb質問紙調査を実施した。食に関する家事(買い物、献立、調理、片付け・皿洗い)のうち、献立と調理は主に配偶者(母親)が行うと回答したものが約半数であり、これらに参画する父親の割合は低かった。子どもの頃から家庭で食事づくりを行っていた者や、自身の子どもが乳児期の頃に離乳食をつくる、与えるなどの家事・育児を行っていた者は、現在食に関する家事をよく行っていた。加えて、食に関する家事は「母親の責任である」といった性別役割分担意識は、食に関する家事参画に負の影響があり、「必要な時に行う自信がある」といった行動コントロール感、「ふだんから自分もしようと思う」といった行動意図が高いことが食に関する家事参画を促進することが示された。しかし、勤務時間が長いこと、在宅勤務頻度が低いことは家事参画の阻害要因であった。これより、父親の食に関する家事を促進するためには、男女関係なく子どもの頃から食事づくりに関わること、より早期から父親に食に関する家事・育児に参画するよう促すこと、父親の食に関する家事への認知を改善すること、就労環境を改善することが重要であると示唆された。これらの結果をまとめ、学会発表および論文執筆の準備をすすめた。 さらに、母親を対象としたインタビューを通して、食に関する家事・育児の協同の詳細や要因、工夫を検討することを目的とした。共働き家庭であり、実際に母親も父親も食に関する家事・育児を実施する母親12人を対象に、オンラインによる個別インタビュー(40~60分程度)を実施し、夫婦の食に関する家事・育児の協同の要因(協同に至った経緯、協同を行っている理由等)や工夫をたずねた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼児をもつ父親を対象にWeb質問紙調査を実施し、父親の食に関する家事参加の実態および要因を検討した。学会発表および論文執筆の準備をすすめた。また、食に関する家事・育児の協同を行う母親を対象にインタビュー調査を実施し、協同の要因や工夫点についてたずねた。おおむね実施計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
父親の食に関する家事参画の実態および要因について、学会発表および学術雑誌への論文投稿を行う予定である。また、インタビュー調査の結果をまとめ、学術雑誌への投稿を予定している。さらに、夫婦へのオンライン調査を実施し、ペアデータから食に関する家事・育児の実態をより詳しく探るとともに、幼児の食事・食行動への影響を検討する。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査にかかる費用が予定よりも少なかったため。今年度、夫婦双方へのweb質問紙調査を実施する予定であり、これに係る費用に充当することを予定している。
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