2023 Fiscal Year Research-status Report
父親と母親の「食」に関する家事・育児の協同の要因および幼児の食事・食行動への影響
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22K20199
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Research Institution | The University of Nagano |
Principal Investigator |
吉井 瑛美 長野県立大学, 健康発達学部, 助教 (80965046)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | feeding coparenting / 食に関する協同育児 / 養育者 / 幼児 / 食生活 / 食行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幼児をもつ父親と母親の「食」に関する家事・育児の協同の 1. 実態、2. 要因、3. 幼児の食事・食行動への影響を明らかにすることを目的としている。 令和5年度は、幼児の養育者間の食に関する協同育児(feeding coparenting)による養育者の食のかかわり、幼児の食事、偏食、食事の楽しさへの影響を検討することを目的に、長野市内の保育園4園の3~5歳クラスの園児409名の子育てに最も関わる養育者と2番目に関わる養育者を対象に自記式質問紙調査を実施した。子育てに最も関わる養育者195名と2番目に関わる養育者167名から不備のない回答を得た。子育てに最も関わる養育者のデータを解析した結果、養育のパートナーと食に関する育児の「価値観の共有」を行っている者は、幼児に健康な食事を与えるセルフ・エフィカシーが高く、健康な食事を促す子どもとのかかわり、食事中の子どもとの楽しい会話を行っており、幼児は食事を楽しいと感じていた。養育のパートナーの双方が食に関する育児に「積極的な関与」を行っている場合も、セルフ・エフィカシーが高く、健康な食事を促す子どもとのかかわりを行っていた。これより、養育のパートナー間の食に関する協同育児は、望ましい食のかかわりや幼児の食事の楽しさを促進することが示唆された。一方で子育てに最も関わる養育者において食に関する「単独育児」を行っている者も、健康な食事を促すかかわりを行っており、幼児の偏食の程度が低かった。「単独育児」の項目ごとに検討する等、対象者の特徴を詳細に検討する予定である。 また令和4年度に実施した父親の食に関する家事・育児への参画要因に関する論文2編の投稿を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は夫婦へのオンライン調査を実施する予定であったが、ペアデータを取得するにあたり、オンライン調査ではなく保育所の園児の養育者各家庭2名への質問紙調査に変更したため遅れが生じた。調査は令和6年2月に完了したため、令和6年度に結果のまとめを行う。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、園児の養育者に実施した調査を用いて、食に関する協同育児を行うことによる養育者の食のかかわり、幼児の偏食、食事の楽しさへの影響に関する結果について学会発表および論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度にWeb調査を実施するための費用、国際学会での発表のための旅費を計上していたが、調査を延期の上、保育園での質問紙調査に変更したこと、学務により国際学会への参加が困難であったことから、次年度使用額が生じた。次年度、論文投稿費(英文校閲費を含む)として使用する。
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