2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of brain networks in epilepsy after pediatric acute encephalopathy using simultaneous EEG-fMRI
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22K20853
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 祐史 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80964783)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | EEG-fMRI / 急性脳症後てんかん / AESD / 脳内ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目的は、二相性けいれんと遅発性拡散能低下を呈する急性脳症(AESD)後てんかんにおいて、てんかん活動に伴う脳内ネットワークの機能異常を同定して治療効果の判定に役立てるとともに、てんかん焦点を推定して外科治療の必要性の判断に役立てることである。 令和4年度は、AESD後てんかんを発症している5名の児と、AESDが疑われる脳症後てんかんを発症している1名の児の、合計6名の脳波-機能的MRI(EEG-fMRI)同時記録を行った。トリクロホスナトリウムを使用してEEG-fMRI記録を試みたが、4例では睡眠維持が困難であったため、残りの2例を解析対象とした。 データの解析方法としては、まずは得られたEEG記録について、解析ソフトのNetstationを用いて磁場に伴うアーチファクトや心拍や脈波に伴うアーチファクトを除去した上でEEGの判読を行い、てんかん性突発波の同定を行った。fMRI記録は、EEG上の突発波をトリガーにして生じるBOLD信号の変化を、計算ソフトのMatlab上で動作する画像解析プログラムのSPM12を用いて行った。BOLD信号変化の検出能を向上させるために、通常の解析方法に加えて、sub-second EEG-fMRI解析も行った。 2例とも、急性脳症による前頭葉の病変部に一致して陽性BOLD信号を認めた。このBOLD所見は、同時期に撮像したFDG-PETでの集積低下部位と一致しており、発作時脳波所見での発作起始とも一致しており、てんかん焦点を的確に推定していると考えられた。1例目では、陰性BOLD信号はdefault mode networkに合致する箇所に認められ、本児の知的障害との関連が示唆された。2例目では、両側視床に陽性BOLD信号を認めており、視床を介したてんかん性ネットワークの形成が示唆された。 令和5年度も、症例を積み重ねていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は、当初見込まれた研究対象者数に相当する方々が、研究にご参加くださっている。睡眠剤によるEEG-fMRI記録中の睡眠維持が困難な例が多いために、解析対象となる記録数は当初の見込みより少なくなっている。令和5年度も、引き続き研究対象者のリクルートを行いつつ、睡眠維持の確率が向上するよう、試行錯誤を重ねていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度も、引き続き研究対象者のリクルートを行っていく。解析結果をもとに、AESD後てんかんに共通するてんかん性の脳内ネットワークの機能異常を同定し、発作に対する治療効果との関連について検討していく。また、てんかん焦点の推定も行い、その後てんかん焦点切除術に至った症例については、切除領域とBOLD信号変化のみられた領域を比較し、術後成績との関連について検討していく。 上記の解析結果をもとに、本研究の成果を国内外の学会で報告していく。また、本研究の成果を公開するために国際ジャーナルに投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
EEG-fMRIの計測や解析に必要な備品の損耗がそれほどなかったため、物品費が予定よりも抑制できた。ただその分、次年度に備品の購入が必要になると思われるので、次年度に備品を購入していく。また、COVID-19流行により、学会がWeb開催となったため、学会出張のための旅費が抑制できた。次年度は、本研究に関連する学会は全て現地開催が見込まれているため、次年度に旅費を使用していく。
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[Presentation] Gait performance and dual-task cost in school-aged children with Down syndrome2022
Author(s)
Yuji Ito, Tadashi Ito, Atsuko Ohno, Tetsuo Kubota, Kaori Tanemura, Sho Narahara, Erina Kataoka, Reina Hyodo, Yuichiro Sugiyama, Tetsuo Hattori, Hiroyuki Kidokoro, Hideshi Sugiura, Koji Noritake, Jun Natsume, and Nobuhiko Ochi.
Organizer
第64回日本小児神経学会学術集会
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