2023 Fiscal Year Annual Research Report
パルスオキシメータから静脈内鎮静法の鎮静深度を評価する方法の確立
Project/Area Number |
22K21074
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
林 真太郎 朝日大学, 歯学部, 助教 (80966169)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | Perfusion Index / パルスオキシメータ / 静脈内鎮静法 / プロポフォール |
Outline of Annual Research Achievements |
静脈内鎮静法において、パルスオキシメータは呼吸状態の評価項目である経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)測定のため全例に装着する必要があるが、SpO2以外に灌流指標(PI:Perfusion Index)を同時に測定している。PIは全身麻酔中の麻酔深度の評価が可能であるとの報告があるため、静脈内鎮静法中の鎮静深度も評価が行える可能性がある。 jRCTヘの登録(認定番号:11000341)後に、20~39歳の男性(ASA-PS 分類 1・2度)を対象として研究データ採取を行った。薬物投与前にコントロール値を10分間測定し、TCIによるプロポフォール投与を目標血中濃度1.5μg/mLで開始した。投与開始から15分後、Trial A群は15分間の持続投与のみを行い、Trial B群は持続投与下で歯面清掃を15分間行った。持続投与終了後は30分間データ採取を継続し終了した。また、各Trialは同一研究対象者で別日(7日以上あけた後)に行った。 研究データの採取を5名終えた段階で、主要評価項目のPIと副次的評価項目であるBIS値の経時的変化について分析したところ、BIS値が低下する鎮静状態においてPIは増加する傾向を示した。 その後はPIとBIS値の相関性を証明する方針でサンプルサイズを決定し、2023年度で必要サイズのデータ採取(20症例)を完了した。統計解析を行ったところ、PIとBISには負の相関関係が認められた。Trial B群ではPIが刺激によって大きく変動する場面が観察された。 パルスオキシメータで鎮静状態を把握することは可能であり、簡便で有用であると考えるが、PIは値が大きく変化することに注意すべきである。
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