2020 Fiscal Year Annual Research Report
Introduction and Transformation of Constructivism View of Learning in Indian Early Childhood Education and Teacher Training
Project/Area Number |
20J40140
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小原 優貴 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2020-10-12 – 2024-03-31
|
Keywords | 就学前教育 / 教員養成 / インド / 学習観 / 構成主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、インドの就学前教育と教員養成について、政策・制度分析や先行研究レビューを行い、現状と課題、論点の整理を進め、学会参加を通じて最新情報を収集した。またインド・デリーの私立学校の幼児教育担当教員へのオンラインインタビューを実施した。これらの成果の一部は、日本子ども社会学会(2021年6月)、国際開発学会(2021年6月)などで発表した。 インドでは、就学前教育の需要の高まりを背景に、多様な機関による就学前教育プログラムが拡大する中、政府は「発達に応じた」「遊び中心」の学びを重視した政策や、質的基準を定めるガイドラインの策定・導入を進めている。一方、本研究では、政府の現場へのコミットメントは限定的であり、財政面・人材面で余裕のある一部の就学前教育プログラムを除いては、教室や遊具などの設備が十分ではなく、政策に基づく教員への支援と助言の不足(教員の専門性の軽視)、教員・保護者間での「質の高い就学前教育=知識獲得」という認識の浸透(筆記・口頭での定期試験を実施する機関もある)などの課題があることが確認された。 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs) の達成に向けて国際社会が就学前教育の拡大・改善に向けて取り組む中、インドの就学前教育の実態を、 質改善の重要な役割を担う教員の資質や力量形成に着目して解明する本研究の成果は、途上国の就学前教育に関わる研究者、国際機関、市民組織等にも示唆を与えることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症による影響(研究協力者の事情)で、計画の延長が見られたが、研究課題に関する情報収集、分析、成果発表を進められているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
構成主義の学習観がインドの就学前教育の現場にどのように導入され、各アクターはそれをどのように捉え、対応しているのかを把握するために、以下を進める。 (1)昨年度作成した就学前教育提供機関、教員養成機関の教員を対象とした質問紙を、現地研究者の協力を得て、オンラインで実施する。 (2)質問紙調査の結果の分析・解釈を進める。 (3)質問紙調査結果では確認できなかった点について情報を得るため、質問紙調査対象者の中からインタビュー対象者を選び、オンラインでのインタビューを実施する。 (4)インタビューの結果の分析・解釈を進め、関連学会にて発表する。
|