2022 Fiscal Year Annual Research Report
爆発的な適応放散をとげたウバウオ科魚類における形態獲得の解明
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22J01404
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 恭司 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部 脊椎動物研究グループ, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | ウバウオ科 / 系統 / 分類 / 形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究試料の入手のため、伊豆諸島八丈島での採集調査およびオーストラリア博物館、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)、ビショップ博物館(ハワイ)での標本調査を実施した。採集調査では約10個体のウバウオ科魚類が得られ、これらは遺伝解析や形態観察に用いられる。オーストラリアの2研究機関での標本調査ではこれまで得られていなかったLepadichthys frenatusとLepadicyathus minorの遺伝解析用サンプルを発見することが出来た。これらはそれぞれLepadichthysとLepadicyathusのタイプ種であるため、ウバウオ科の系統分類を行う上で重要な分類群である。各サンプルはすでに分子実験に用い、遺伝解析を実施している。また、これまで知見の乏しかったオーストラリア南岸のみに生息するCreocele cardinalisの標本を多数確認することが出来、その内、30個体についてはより詳細な形態データを入手するため借用を行った。ビショップ博物館では記載されて以降、追加知見のなかったLepadichthys bilineatus、Discotrema monogrammum、Discotrema zonatum、Briggsia hastingsiの標本を精査することが出来た。また、同館が所蔵するウバウオ科の水中写真も入手することが出来、各種の生鮮時の色彩・吸着生態についての知見が飛躍的に収集された。その結果、Lepadichthys bilineatusとDiscotremaの各種(3種が含まれる)、Briggsia hastingsiには分類学的では分類学的に問題があることが判明し、さらなる調査を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外渡航の緩和により、当初訪問を予定していた海外の研究機関に訪問することが出来、ウバウオ科各種の標本を調査することが出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの標本調査により、Lepadichthys bilineatusとDiscotremaの各種(3種が含まれる)、Briggsia hastingsiには分類学的に問題があることが判明したため、遺伝解析や内部形態の観察も含めた詳細な調査を実施する。また、アメリカのスミソニアン自然史博物館およびドイツのゼンケンベルク自然博物館にまだ調査出来ていないウバウオ科の標本が所蔵されているため、各研究機関への訪問を予定している。
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Research Products
(7 results)