2023 Fiscal Year Research-status Report
爆発的な適応放散をとげたウバウオ科魚類における形態獲得の解明
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22KJ3173
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 恭司 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部 脊椎動物研究グループ, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 分類 / 系統 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はこれまで知見が乏しかった熱帯・亜熱帯域の深海および海洋島におけるウバウオ科魚類の多様性および分布状況を明らかにするため、それぞれパプアニューギニアの深海域およびフレンチポリネシアから得られた多くの標本が収蔵されているスミソニアン自然史博物館(アメリカ)、テキサスA&M大学(アメリカ)、国立台湾大学(台湾・台北)、ニュージーランド国立博物館(ニュージランド・ウェリントン)、および西オーストラリア州立博物館での標本調査を実施した。その結果、熱帯・亜熱帯域の深海におけるウバウオ科ではこれまで5種が知られていたヨザクラウバウオ属に形態・遺伝的に識別できる多数の未記載種が含まれていることが明らかとなり、本属の多様性はこれまで考えられていた以上に高いことが判明した。また、各種は異所的に分布し、それぞれの分布範囲はひじょうに狭いことが明らかになりつつある。海洋島におけるウバウオ科では同様に少なくとも2未記載種が確認され、さらにこれらの種はそれぞれ既知のいずれの属の特徴にも当てはまらないことから、さらなる研究を進めている。この他、前年度から引き続き、インド・太平洋産のウバウオ科各属を中心にマイクロCTスキャンと透明骨格標本の解剖に基づく、内部形態のデータ収取を行っており、本年度までで21属39種(インド・太平洋産のウバウオ科各属のおよそ6割)のデータが得られている。すでに十分な知見が得られている分類群については2つの国際学会において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に訪問を予定していた海外の研究機関に訪問することが出来、これまで知見が乏しかった海域におけるウバウオ科の標本を観察出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究活動により、インド・太平洋産のウバウオ科魚類の分類学的問題はほぼ解決しつつある状況であるため、今後は分類学的に整理された情報に基づき、各分類群の系統関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入が本年度内に間に合わなかったため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Decoding morphological diversity in deep-sea spikefishes (Triacanthodidae: Tetraodontiformes): phylogenetics, genomics, and habitat associations2023
Author(s)
Heiple, Z., D. Arcila, K. Bemis, K, Fujiwara, H.-C. Ho, M. Nakae, J. Tyler and W. White, William
Organizer
11th Indo-Pacific Fish Conference (IPFC) and Annual Conference of the Australian Society for Fish Biology
Int'l Joint Research
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