2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23000003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永江 知文 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50198298)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ストレンジネス / J-PARC / ハイパー核 / 実験核物理 / 磁気スペクトロメーター |
Research Abstract |
新たに製作している磁気スペクトロメーター"S-2S"の収束電磁石1台について製作を行った。できあがった電磁石については、耐圧試験、絶縁抵抗試験、耐水圧試験、流量試験、通電試験、零次試験などの一連の試験を行い、所期の性能がでていることを確認した。これに引き続いて磁場分布の測定を行った。測定した磁場分布については解析中であり、3次元電磁場解析プログラムによる計算結果との比較を行う予定である。今後、製作する偏向電磁石についても詳細設計を行って、製作準備を進めている。 S-2Sスペクトロメーターの検出器系についても設計と開発を行った。運度量分解能として2000分の1(FWHM)を達成することを設計目標として、飛跡検出器系の設計を検討した。スペクトロメーター出口部分の収束面付近に設置する飛跡検出器の位置分解能が最も重要であり、これに比べて、入り口部分の飛跡検出器の性能は、あまり全体性能には効いてこない。また、飛跡検出器自身の物質量による多重散乱の効果についても検討を行った。これらの特性を考慮しながら具体的な設計を進めている。既存の検出器の有効利用も積極的に検討している。特に最近開発されたMPPCと呼ばれる光素子を利用したファイバー・トラッカーの導入を考えている。トリガー系の検出器については、陽子の抑制用に新しいチェレンコフ検出器として水チェレンコフ検出器のプロトタイプを製作して、宇宙線やビームを使った性能評価の準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁気スペクトロメーターの製作は、昨年度に行った全体設計に基づき順調に進んでいる。一台目の収束電磁石が完成し所期の性能を持っていることが確認できた。検出器系の設計についても準著に進んでおり、新しく開発が必要なチェレンコフ検出器についてはプロトタイプを製作して性能評価を行おうとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に行った全体設計に基づき、新しい磁気スペクトロメーターの建設を進めていく。平成26年度中の完成を目指している。検出器系もこれに合わせて開発・製作を準備している。平成27年にはJ-PARCにおいて、磁気スペクトロメーター全体での性能評価試験を行い、ビームを使った本実験を実施する予定である。
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Research Products
(9 results)