2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質放出の修飾機構解明のための分子生理学的研究
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23220008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
真鍋 俊也 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70251212)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経科学 / 生理学 / 生体分子 / 脳・神経 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
①神経伝達物質放出に関与するアクティブゾーン蛋白であるCASTを欠損するノックアウトマウスを用いて神経伝達物質放出機構を検討し論文を投稿した。以下にその要約を記載する。(1)海馬CA1領域における興奮性シナプス伝達の入出力関係において伝達効率が野生型より高かった。(2)微小興奮性シナプス後電流の振幅が野生型より増大していた。(3)神経伝達物質の放出確率が低下していた。(4)シナプス間隙におけるグルタミン酸濃度が高いことがわかった。(5)5Hzの持続低頻度刺激後にみられるシナプス抑制が有意に大きかった。 ②細胞内小器官からのカルシウム放出機構に関与する機能分子が海馬CA1シナプスの前終末でのみ欠損するコンディショナル遺伝子改変マウスの作製に成功し、この変異マウスの海馬スライスで、まだ例数は十分ではないが、シナプス活動依存性のシナプス抑制に異常があることを見出した。 ③海馬特異的にカルシウム動態調節分子が欠損する変異マウスの作製に成功した。この変異マウスを用いて、海馬における役割を電気生理学的および行動学的に解析した。海馬特異的コンディショナルノックアウトマウスにおいて、短期的、および、長期的可塑性に異常のある可能性が示唆されるデータを得た。また、行動バッテリーテストを行い、いくつかの項目で異常を見出した。 ④シナプス前終末に存在する蛋白リン酸化酵素の機能阻害遺伝子改変マウスにおいて、シナプス前性の短期可塑性が、特殊な条件下では野生型に比べて大きく亢進していることを見出した。 ⑤SNAREコンプレックスを構成する分子のリン酸化欠損ノックインマウスの海馬CA1領域において、入出力関係が大きく減少していることを見出した。それと合致し、2発刺激促通が大きく増大し、神経伝達物質の放出確率の低下が示唆された。論文の作成が終了し、投稿の最終準備を行っている。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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